Saturday, June 28, 2025

スターン報告からパリ協定へ—未来を紡ぐ気候変動への挑戦-2007年から2020年代の軌跡

スターン報告からパリ協定へ—未来を紡ぐ気候変動への挑戦-2007年から2020年代の軌跡

2007年、英国経済学者ニコラス・スターンの報告書「スターン・レビュー」によって、気候変動が経済にもたらす影響が鮮明になりました。この報告書は、温室効果ガス削減を早期に行えばGDPの1%程度の費用で済む一方、対策を怠れば最大20%の損失を招く可能性があると警鐘を鳴らしました。再生可能エネルギーの推進や炭素取引市場の整備が提言され、国際連携が気候政策の鍵となると示唆されました。

2010年代には、パリ協定(2015年)の採択が大きな転換点となりました。この協定では、地球温暖化を産業革命以前から2℃未満、さらには1.5℃未満に抑える目標が掲げられました。IPCCが2018年に発表した「1.5℃特別報告書」では、2030年までにCO2排出量を45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成する必要があるとされました。また、日本では2012年の固定価格買取制度(FIT)が太陽光発電の普及を加速させ、2011年の福島第一原子力発電所事故を契機にエネルギー政策の再構築が進みました。

2020年代には、IPCC第6次評価報告書(2021年)が、気温上昇を1.5℃以内に抑えるために2030年までの43%削減が必要だと指摘しました。東京都では「ゼロエミッション東京戦略」が進められ、北海道稚内市では洋上風力発電が稼働し、福島県では「福島グリーンハイテクプロジェクト」が復興の要となっています。企業では、トヨタ自動車が「グリーン水素」を活用した水素燃料車を推進し、日本製鉄が鹿島市で炭素回収・貯留(CCS)技術によりCO2削減を目指しています。

このように、「スターン・レビュー」から「パリ協定」、そして「1.5℃特別報告書」に至る国際的な動きが、気候変動対応の歴史を形作り、持続可能な未来を築く礎となっています。

情報源
- スターン・レビュー(2007年)
- パリ協定(2015年)
- IPCC「1.5℃特別報告書」(2018年)
- 固定価格買取制度(2012年導入)
- 福島第一原子力発電所事故後のエネルギー政策(2011年以降)
- IPCC第6次評価報告書(2021年)
- 東京都「ゼロエミッション東京戦略」(2020年)

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