「数字が語る大変動の風景 ― 環境変動と人類の未来」―2025年頃
すでに私たちは、歴史的転換点に立っている。国際移住機関の試算によれば、今後30年間でおよそ15億人が「環境難民」となり、気候変動の影響を直接受けて住まいを追われるという。また、地球上の広大な地域が、最大で35億人にとって「住めない場所」となる可能性も指摘されており、人類の居住可能エリアが物理的に急速に縮小していることを意味している。
地球の温暖化は進行し、気温50度を超える日が過去30年と比べて11倍に増えている。もはや「猛暑」は例外的な現象ではない。アメリカでは、2050年までに毎年50万戸が浸水し、総資産価値にして2410億ドルが失われると推定される。自然災害の頻度も増しており、2020年にはアメリカ国内だけで170万人が異常気象により住まいを失った。これは2018年比で8倍以上、災害が18日に1度という頻度で街を襲っている。
都市もまた、その姿を変えつつある。バングラデシュでは、2050年までに1億3000万人が強制的な国内移住を迫られる。中国では5億人、インドでは10億人が移動の圧力にさらされている。世界最大の都市ジャカルタでは、年間25センチの地盤沈下が続き、2050年には都市そのものの移転が避けられないとされている。
先進国は別の形での危機に直面している。日本やスペインを含む13か国では、2100年までに人口が半減するとされている。すでに北米と欧州では65歳以上の人口が3億人に達し、2050年には100人の労働者が43人の高齢者を支えるという、高齢者従属人口指数43%の世界が現実になる。
気候、人口、都市、社会保障――あらゆる領域が同時多発的に揺らぎ始めている。移住はもはや結果ではなく、選択肢を持たぬ者にとって唯一の生存戦略となりつつある。しかし、入国規制や国境管理はむしろ強化されている。2050年には、世界中で1億人が都市部の洪水リスクに晒されるとされながらも、移動の自由は制限され続けている。
これらの数字は未来を予測するための道具ではない。すでに今という時間にしみ込み、私たちの暮らしの下層を静かに侵食している、目に見えぬ確定事実なのだ。
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