Saturday, June 28, 2025

**「元気印の歌姫 ― 水前寺清子と昭和のエール」―昭和40年代を中心に**

**「元気印の歌姫 ― 水前寺清子と昭和のエール」―昭和40年代を中心に**
水前寺清子(1945年熊本生)は、戦後復興の空気の中で登場した歌手である。1964年「涙を抱いた渡り鳥」でデビューし、翌年の「いっぽんどっこの唄」で注目を集めた。拳ひとつで人生を渡る男の心意気を歌ったこの曲は、昭和の大衆に"粋"と"意地"を響かせた。

1968年、「三百六十五歩のマーチ」が大ヒット。明るく前向きなリズムと、「しあわせは歩いてこない」という歌詞が、努力と根性を信じる昭和の精神に合致し、日本中の応援歌となった。彼女の歯切れよく元気な歌唱は、学校行事やテレビでも頻繁に流れ、国民的歌手としての地位を確立した。

1970年にはTBSドラマ『ありがとう』に主演。庶民的なヒロイン像が視聴者の心をつかみ、視聴率40%を超える社会現象に。公害やオイルショックなど不安の多い時代に、水前寺清子の笑顔と声は"昭和の生活者の味方"であった。

その後も紅白歌合戦常連として活躍を続け、平成以降も元気印の象徴として親しまれている。水前寺清子は、歌手にとどまらず、昭和の精神そのものを体現した存在であった。

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