Wednesday, September 17, 2025

江戸川区市民の太陽光発電所計画 ― 市民主体で始まる再生可能エネルギーの萌芽(1999年・東京都江戸川区)

江戸川区市民の太陽光発電所計画 ― 市民主体で始まる再生可能エネルギーの萌芽(1999年・東京都江戸川区)

1990年代後半、日本では地球温暖化問題が社会的課題として急速に認識され始め、1997年の京都議定書採択を受けて再生可能エネルギー導入の機運が高まった。そうした中で、江戸川区の市民グループ「足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ」は、地域寺院・寿光院に出力5kWの太陽光発電所を設置した。この発電は客殿の電力供給に用いられるとともに、余剰分は電力会社に売電される仕組みを採用。市民が自ら出資し、運営に関与することで地域に密着した「市民電力」の先駆けとなった。資金は主に助成金と寄付によって賄われ、従来の公共主導型とは異なる市民主導の再エネ普及のあり方を提示した点が特徴的である。さらに住職や市民が「償却後には第2、第3の発電所も」と夢を語る姿は、単なる省エネやCO₂削減に
とどまらず、地域共同体の新しい未来像を描くものであった。大規模集中型の電力供給が支配的であった当時において、この試みは地域社会がエネルギーの担い手となる可能性を示す画期的な事例であり、2000年代以降の再生可能エネルギー普及の流れを先取りする先進的取り組みと評価できる。

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