環境配慮部材の木質材料をインターネットを通じて販売する「エコモク」は、明治38年創業の佐久間人材株式会社が運営しています
2003年の開設以来、順調に売上を伸ばすエコモクは、エンドユーザーと製品を結ぶ木材のエコショップとして機能しています。
●ネットで扱うのに適した商材。
佐久間木材は、木挽き職人だった初代によって創業され、ほどなくして木材加工・販売を始めました。
その後、菓子箱などの紙容器の製造に欠かせない抜型用合板を自社開発し、現在はこの分野で国内のトップシェアを誇っています。
「抜型の台は、木でなければ駄目なのです」と4代目の佐久間賢之さんは言います。
板紙あるいは段ボールの紙容器は、切り抜くべき場所に刃を固定した抜型に紙を押し付けて裁断し、組み立てます。
刃を固定する台をプラスチックにすると、圧力で刃が抜けてしまいます。
紙容器の場合、金型を作るのはコスト面で合わないです。
木の繊維の方向を縦横交互にした佐久間木材の抜型用合板は、刃を四方から固定する、優れた性能を備えています。
「木の特性を活かす製品開発が当社のコンセプトです。
エコモクを始めるに当たっては、新たな需要を掘り起こすという目的もありま3代目が病気で思いがけず早くに亡くなり、4代目の佐久間賢之さんは20歳で会社を継ぎました。
木に囲まれて育ち、「子どもの頃から4代目と呼ばれてきたのに反発して、マンションのディベロッパーに就職して家を出ていました」という佐久間さんは、鉄筋コンクリートのマンションを売りながら、木の良さを再認識していたと語ります。
佐久間さんが引き継いだ1998年の時点では、借入金が増える一方で会社の財務状況はかなり悪かったのですが、木が好きで、木の知識を蓄積していた佐久間さんは、なんとか木を売りたいと考えました。
「ちょうどホームページを作るのが流行っていた時期でした。
ホームページを作るからには、他社と何か違うことをアピールしなければならない。
ネット上で売るのに適した商材は何かを考えました」
木は生き物です。
同じ樹種でも、育った地域などによって木目が異なります。
その違いを忠実に反映する無垢材は、実際に触れて選んでほしいものです。
あれこれ試した結果、環境配慮型の集成材、合板などの木質材料を扱うことを決めました。
「極言すれば、プラスチックのような化石燃料由来の素材、地下資源である金属に比べれば、どんな木材でも環境負荷が少ないと思います。
でも、環境破壊につながるものではいけませんので、切ったら植える体制が整っている木を、無駄なく利用している製品を扱っています」
●情報開示がポイント。
エコモクで扱う商材はすべて、佐久間さんが自ら探し出したものです。
当初は、メーカーに木材の産地、接着剤の種類などを問い合わせても、すぐに回答が得られないことが多かったです。
情報開示されていない製品は扱いません。
すべての商品について、産地、使用接着剤、選択のポイントとなった点などの情報を明らかにしているのが、エコモクの特徴でもあります。
国産のものは植林によって生産された杉、ヒノキ、カラマツなどの集成材や合板。
間伐材や製材残材を活用した製品もあります。
国産材だけでは商売が成り立たないので輸入材も扱いますが、FSC認証を受けているものや、計画植林によって生産された木材で、小径木利用などの特徴ある製品を選んでいます。
さらに、高梁(コーリャン)ボードなど、木材以外の植物で従来は廃棄されていた部分から作られたものも、ラインナップに加えています。
また、売れると確信のある製品であっても、環境配慮に疑問があれば扱いません。
そういう製品は他社も扱っており、選択基準を曖昧にするとエコモクの信用も独自性も失います。
顧客の8割は個人ユーザーだという。
売上で言えば2割だが、個人ユーザーは実にさまざまな用途で木材を使っている。
家具のほか、「そういうニーズがあることは知らなかった」と佐久間さんが言うような、自動車に搭載するオーディオボックスを手作りするユーザーもいる。
そうした顧客とのやり取りは、商品の選択にも反映されてきた。
個人ユーザーにはグリーン購入法適合商品のMDF(ニュージーランド産木質ポード)、プロのユーザーにはホワイトバーチ合板(フィンランド産)が一番売れるそうだ。
木の肌合いを備えた環境配慮製品というのだ。
現在の目標は、年商の1割に伸ばすことだ。
環境負荷が低い製品選択、情報開示に加えて、エコモクは加工精度の高さ、安価であることにもこだわっている。
ここに、佐久間木材が蓄積してきたノウハウが活かされている。
また、新規事業であったエコモクに関しては、在庫を持たないシステムを採った。
顧客の注文を受けてから、加工も含めた発注を出す。
これによって、顧客の要望にきめ細かく対応できるというメリットもある。
ここで重要なのは、商品知識が豊富で、要望に応じた提案ができることだろう。
取扱商品を増やしてきたことで、メーカー側からも注目されている。
「エンドユーザーに一番近いところの話を聞きたいという大手企業や、チェコのメーカーが訪ねてきました。
そういうふうに見てもらえるのは嬉しいですね」と佐久間さんは手応えを語る。
木に触れる機会が少ない多くの人々に「もっと木の良さを知ってもらいたい」と、佐久間さんは木の雑貨を集めたオンラインショップことで店舗の内装用需要も伸びている。
多彩なラインナップ。
成長し、近いうちにスタッフを増やす予定だ。
「国産材であることで引き合いがあるのは、大手ゼネコンのようなお客様に。
病院の廊下の腰板に使われたケースなどがあります」 また、07年4月にオープンした、環境活動家ワンガリ・マータイさんが提唱する「MOTTAINAIキャンペーン」のオフィシャルショップ(愛知県津島市・ヨシヅヤ津島本店内)では、国産ヒノキの問伐材を利用したエスウッド(岐阜県・親和木材製品)が採用された。
また、03年10月にエコモクを立ち上げてから半年ほどは、月の売上が1万円程度だったが、1年後には50万円になり、現在はその10倍まで成長。
佐久間木材の年商の5%を占めるように望んでいる。
そして、失われた技術を取り戻すのは容易なことではない。
そうしたことも含めて、木のエコショップとも言うべきユニークな存在であるエコモクに期待したい。
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