Saturday, April 18, 2026

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、化学的に安定し、絶縁性が高い特性から、コンデンサや機械油、熱交換機の熱媒体として広く使用されていました。しかし、肝機能障害や皮膚炎などの健康被害を引き起こす危険性があり、1968年のカネミ油症事件を契機に、1972年には製造が禁止されました。

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、化学的に安定し、絶縁性が高い特性から、コンデンサや機械油、熱交換機の熱媒体として広く使用されていました。しかし、肝機能障害や皮膚炎などの健康被害を引き起こす危険性があり、1968年のカネミ油症事件を契機に、1972年には製造が禁止されました。 PCBは自然には分解しないため、高温焼却処理が主な処理方法とされていました。しかし、ダイオキシンの発生などの問題があり、処分場の立地が困難で、約4万トンのPCBが未処理のまま保管されています。この他、PCBが塗布された紙くずや木くず、廃プラスチック、金属くず、PCBを拭き取った布、PCBを抜き取った後の容器などのPCB汚染物も含めると、処理量はさらに増えます。 近年では、燃焼法に代わる手法が求められており、廃棄物処理法の改正により、1998年6月からは高圧高温の水でPCBを酸化還元する「超臨界水酸化法」および、ナトリウムやカルシウムなどと塩素を反応させて無害化する「脱塩素法」が認められました。さらに、産業廃棄物処理事業振興財団では、各メーカーが試験運転を試みている新しいPCB処理技術5種についての技術評価をとりまとめ、2000年秋頃には法的に認められる見通しです。 以下に、各社が開発した主なPCB無害化処理技術を紹介します: 1. ソデイウム・ディスパージョン法(日本曹達) 1995年に開発されたこの方法は、PCBにナトリウム微粒子を反応させて脱塩素を引き起こし、ビフェニルと塩化ナトリウムに分解します。処理温度は50~60度Cと低く、常圧で短時間で処理できます。 2. 超々臨界状態処理技術(シャイン電子) PCBと水、水酸化ナトリウムを混合し、600~650度C、150~190気圧の条件下で気化させた混合物を超々臨界状態で無害化します。処理後は水とCO2、食塩に変換されます。 3. 水熱分解法(三菱重工業) PCBを酸化カルシウムとともに高温高圧の反応塔に投入し、熱水と酸素で分解します。最終生成物は塩と水のみで、再処理が不要です。 4. ソデイウム分散液法(日本原子燃料工業) カナダの技術を導入し、ナトリウム分散液を用いてPCBを化学的に分解します。残ったオイルは無害で燃料として使用可能です。 5. 光分解・触媒分解法(東芝) 紫外線照射と貴金属触媒を組み合わせてPCBを脱塩素化します。高濃度のPCBに適した方法です。 これらの技術はいずれも実証試験を終えており、法的に認められればPCBを保管している事業者にとって有力な選択肢となるでしょう。処理施設の設置には地域住民の信頼が重要であり、安全性を最優先に考慮する必要があります。厚生省もこれらの技術の普及を支援しており、2000年度中に2施設の建設を予定しています。 このように、PCB無害化処理技術の進展により、長年の課題であったPCB問題に対して光明が見え始めています。

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