環境を新しい価値観とした新事業・廃家電を「現代の鉱石」として衰退の激しい各地の鉱山・製錬場の跡地や施設、技術を活用して、資源の安定供給と環境の調和を図ろうとするリサイクル・マイン・パーク(RMP)構想がやっと経済的インセンティブを伴う事業として動きだろうとしている。
「再び山に火が灯った。この火を消してはならない」と、鉱山の町の再生に取り組む秋田県北部の市町がある。これまで自動車の廃バッテリーやシュレッダーダスト、電線くずなどに含まれる非鉄金属(鉛、銅、亜鉛など15種類)のリサイクルを続けてきた鉱山の町にいま強い追い風が吹き始めた。家電4品目を対象としたリサイクル法、あるいは法制化がよていされる自動車や家電4品目以外の電気・電子機器のリサイクル法という追い風だ。リサイクルの対象となった使用済み製品の適性処理、資源リサイクル、焼却エネルギーの有効利用、重金属による公害防止などの多様なメリットがそこに派生する。
課題だった経済的なメリットは大きい。リサイクルプラントの建設、運用にあたっては、既存施設や鉱山技術をそのまま活用できるので、低コストでOK。聞けば新設プラントの8分の1の5億円相当だという。そして動脈系メーカーのリサイクルプラントとは違い、静脈を熟知したうえで事業展開できるのも強みだ。この地が将来、静脈産業の核として再生され、雇用が創出されることこそが、地域のポテンシャル・アップ、さらには循環型社会の産業構造を支えるパイロット事業としても注目される。
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