Friday, May 31, 2019

ミヒャエル・エンデ著「モモ」


過日、新宿を歩いていたら、若者に声を掛けられた。
教え子だった。現在、スーツ姿のサラリーマンになっていた。
「最初の授業でモモの感想文書かされたヘンな人が第一印象」がわたしの
印象だったらしい。
「でも、モモの思いや時間泥棒との戦いでの教訓、今の自分の中で生きて
いますね」と。

そう言えば…。
約10年余り、非常勤講師として立ち続けた大学の教壇。毎年最初の授業で
学生にレポートを提出してもらうのが,ミヒャエル・エンデ著「モモ」を
読んでの感想文だ。
青少年文庫の類いで、学生の中には3分の1が小学生時代に読んだ経験が
あり、残りは初めての「モモ」だった。
学生の多くはこの「モモ」の感想文提出には抵抗があったようだ。
「読んでみて良かった」とか「小学生時代とは別の違った感想を持った」
とかのレポートが少なくなかった。
こちらの狙いはわたしら生涯使える時間について社会へ出る前に、もう一
度問い直してもらいたかったのだ。政経学部「環境ビジネス」の授業最初
のレポート課題がコレだったので多少の混乱があったようだ。

「モモ」のストーりーはこうだ。
古代ローマをホーフツさせる田園に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の
男らによって人々は時間が盗まれてしまい、人々の心から余裕が消えてしま
う。しかし人々の話に耳を傾け、人々に自信をとりもどさせてくれる不思議
な力を持つ少女モモが、時間泥棒との戦いの中で、人々の奪われた時間を取
り戻すというもの。最後にモモは盗まれた時間を解放する。

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