千葉・高度成長期（1955～1975年）の漁業衰退と環境問題

千葉・高度成長期（1955～1975年）の漁業衰退と環境問題

高度成長期（1955～1975年）、千葉の漁村は急速な工業化と埋め立てによって大きな影響を受けました。東京湾沿岸では、工場建設が進み、埋め立て面積は約4万ヘクタールに達しました。これにより漁場が失われ、漁獲量は1955年の20万トンから1975年には8万トンに激減しました。水質や空気も深刻に汚染され、特に亀山湖では化学物質が環境基準値の100倍以上検出され、東京湾ではPCBや重金属が海洋生物に蓄積しました。市原市では多くの生徒が気管支炎を患い、健康被害が広がりました。漁業の衰退により、家族の生活は困難を極め、父は工場に転職しましたが、昔の海での自由な生活を懐かしむ気持ちが残りました。祖母は「海がすべてを与えてくれた」と語り、失われた自然の大きさを痛感していました。高度成長の便利さと引き換えに、多くの自然が失われ、地域社会は深刻な影響を受けました。