主要企業のうち環境ビジネス市場においてシェアを広げているのは早くから自社の蓄積した技術を環境ビジネスにシフトして参入した企業だ。いってみれば、経営トップの先見性と環境配慮の発想による事業転換がパイオニアプロフィットを享受したといえる。しかし、後発組においても環境ビジネスは、いまや全産業にわたり至るところにビジネスチャンスが広がっており、参入事例においても成功数はかなりの数にのぼる。中には旧態の業態を環境ビジネスによって再構築に成功した例もある。
環境ビジネスの成功事例を見てみると、いくつかの共通点が拾える。1)環境ビジネスへの参入動機・目的が環境負荷の改善など強い環境配慮に裏打ちされている。2)現業の延長上に環境ビジネスをはっそう。たとえばリサイクルビジネスを立ち上げる際、リサイクルを事業化するのではなくて、現業の一事業をリサイクル事業化するという発想。製錬技術を生かして家電リサイクル分野へ進出するといったケース。3)マーケティングリサーチを行い、市場のニーズをきちんと把握。4)技術開発と同時に事業開発を行う。技術を活かすためのシステム作りが必要。リサイクル技術があっても回収ルートや再資源化システムが確立されていないと、技術が動かない。システム構築を含む総合的なマネジメント能力が問われる。5)地域に会合った適正な技術や事業を導入。6)政策や施策を読める能力。公共事業の参入において共同研究によるマッチング。1)企業と企業-コンソーシアム、2)企業と行政 - PFI(Private Finance Initiative)、3)企業と大学 - 産学共同による技術供与あるいは提携、4)企業と公的研究機関、などがある。
No comments:
Post a Comment