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Friday, January 25, 2019

フェミ・エコロジー

<フェミ・エコロジー>

環境の視点から女性の立場を考えるエコ・フェミニズムに対して、女性の視点から
環境を考えようというのがフェミ・エコロジーである。
フェミ・エコロジーの台頭は、環境問題への新たな視点を提示するものとして注目
されている。
特に生活者として暮らしの中でのエコスタンダードの形成や環境配慮型商品開発等
においては、女性の視点は重要なファクターになり得るからだ。
2016年度の環境産業市場は104兆円。概ね第一次産業~第三次産業にわたってい
るが、多くは第一次と第二次産業のプラント・装置・機器等の導入、運用等々の市
場数字で、暮らし・生活レベルの環境改善に係る製品開発やサービスの提供は少な
い。つまり男性視点で、女性視点が少ないってのが特徴的だ。

これからの環境ビジネス市場で拡大が予想されるのが女性視点の市場だ。
フェミ・エコロジーの台頭は、生活用具アイテム増加に寄与すること間違いない。
環境に配慮した種々の製品が生まれ、また都市部に拡大している環境商品(エコグッ
ツ)の店舗のネットワークに繋がるのでは、と。
男性型環境ビジネス市場が女性型環境ビジネス市場への契機は、身近な生活に根ざ
した第三次産業の市場拡大へ繋がると予測する。

ちなみに白物家電の多くは女性のアイデア、提案によって製品化されている。

エコ・フェミニズム

<エコ・フェミニズム>

エコロジカルな視点から女性を考えようとするもの。環境問題への新しい視点
として注目されている。「沈黙の春」著者のレイチェル・カーソンはその先駆
的な存在。

女性解放運動の只中でエコロジーへの関心と結び付いて生まれた。エコロジカ
ルな視点から女性の社会的な役割を考えることを「エコ・フェミニズム」と言
う。世界的に地球環境の悪化がクローズアップされ始めた1970年代半ばにこの
言葉は生まれた。
その先駆的な役割を果たしたのが、レイチェル・カーソンだ。
レイチェル・カーソンは60年代から自然との共生を世界に向けて訴えてきた。
彼女の代表著作「沈黙の春」は、今もエコフェミニズムの出発点として各国で
読み継がれている。
カーソンが目指した自然との共生は、自然を文明が支配する「西欧的な自然観」
とは異質なものだった。
欧米のフェミニストにとってエコロジーへのアプローチは西欧近代の「文明と自
然」と言う二元論から脱却だった。文明に依拠した生産活動に関わる男、子ども
を産み育てる女という性的役割を規定している二元論を切った。
1970年代の初めに女性らのベトナム戦争抗議運動の中から「戦争は最大の環
境破壊」「ジェノサイド(大量殺害)による生命危機」がクローズアップされる。
また環境汚染が深刻化していく中で、女性らの運動にも科学技術批判の視点が盛
り込まれて行く。
こうした女性らの意識改革は、80年にデンマークで開かれた「国際婦人年NGOフォ
ーラム」では南北問題を女性の抑圧と環境破壊としての議論に火をつけた。
またイギリスで82年からの10年以上にわたって展開された「グリーナムの核基地
撤去を求めた座り込み闘争は、エコフェミニズムに根ざした環境保護運動として
世界的に知られている。
エコ・フェミニズムに大きなインパクトを与えたのは86年に起きた「チェルノブ
イリ原発事故」だった。東西ヨーロッパの広範囲の地域に放射能汚染をもたらし、
年々その深刻さ(日本で関心薄い。原発外交の失敗の大きな要因)が明らかになっ
ていく原発への危機意識を高めたのは女性らだった。
チェルノブイリをきっかけに世界のエコ・フェミニズムのネットワークは大きく
広がり世界各国で環境問題への新たな視点を提示するとして注目されてきた。
日本でも94年に「女性と環境」をテーマにしてきたヨーロッパの女性らとのシン
ポジウムが開催された。
エコ・フェミニズムの流れの中には、地球環境の劣化をもたらした産業社会が男
社会として構築されてきたことへの批判も込められているのだ。
男・産業社会が見落としてきたものを洗い出し、その欠点をエコ・フェミニズム
の中に見出す事もできる。原発に限らず、生活由来の環境意識は明らかに女性の
方が高い。エコロジー視点からでなくても、食、空気、水と言った環境・命への
問題意識は生物としてふつうの感覚から生まれてくる…。

環境思想の二つの潮流

<環境思想の二つの潮流>

現代の環境・概念と言われるものは、大きく「皮相的環境主義」(Shallow Environmetalizm)と「ディープ・エコロジー」(Deep Ecology)の二つの流れに分けられる。
この考え方は、1970年代にノルウェーの哲学者アルネ・ネスによって提唱された。
●皮相的環境主義は、もっぱら人間のために自然環境をより効果的に支配し、かつ管理することに関心を寄せる。
一方●ディープ・エコロジーは、地球生態系全体のバランスを保つための人間の役割を認識し、それを重視する立場に立つ。言わば、人間中心の環境主義に疑問を呈する立場だ。

環境破壊、最近では廃プラスチックの海洋ごみ問題への対応を例にとると、対処療法的な代替品への切り替えや回収・燃焼に走るのが皮相的環境主義だと。
それに対して環境破壊、廃プラの海洋ごみについて本質的な要因から考え直して行こうというのがディープ・エコロジーなのだ。プラスチックの使用有無、大量生産・大量消費・大量廃棄等の問い直しまで考える。

90年代に入ってからディープ・エコロジーに根ざした「環境監査」「環境マネジメントシステム」の誕生の契機になったが、安易に「自然との共生」なんてお題目ばかりの現代社会において、その道筋はまだまだ遠い。
現在の環境への取り組みは、ディープ・エコロジーからの発想と、生活の快適さ求める生活環境(サランディング)からの発想の二つの潮流が形成されている。「果てしのない人間の欲望を開発」する欲望開発型のサランディングへ傾注している。
地球は、人間以外に生きとし生ける生物と共生の上に成り立っていることを問い直す時代だ。
「21世紀は環境の世紀」なのでは、と。

Friday, December 14, 2018

適地技術 - 地域・分散・等身大 環境ビジネスここがポイント 1999.09.15

資源循環にしろ、自然環境の改善にしろ、これから地域社会での取り組みがますます重要視されてくる。たとえば廃棄物。地域から排出された廃棄物は地域で回収し、再資源化し、地域へ戻していく地域循環が基本だ。それが一番効率的だし、的確な取り組みができる。そうした地域社会での取り組みにおいて、大切なのは地域の特性を活かした制度や技術である。

とりわけ技術においては地域ならではの適地技術が必要である。地域によって取り組みがそれぞれ違えば、そこに活かされる対応技術は違ってくる。いま各地で、そうした適地技術が開発され、地域に貢献して地域の環境ビジネスとして地域の活性化の一翼を担いつつある。廃棄物の適正処理およびリサイクル技術、自然環境の浄化及び修復、自然エネルギー利用、環境共生施設、省エネルギー関連技術などいろいろ。

適地技術の特色を挙げれば、地域・分散・等身大である。言ってみれば地域対応で運転管理、メンテナンスが容易な小規模のローテクである。この分野でのビジネスチャンスは数多く残されている。その糸口になるのが各県や市町村の環境行動計画や条例など。それらを読み込むことが事業開発のヒントになるケースが少なくない。そして事業開発に連動した技術開発には地域の大学から技術移転したり、技術提携することがこれからのトレンド。産学官連携による地域の環境産業への創出へと向かう。結果として地域の資源循環、環境改善に役立つ。

Tuesday, December 11, 2018

先人から学ぶ

<先人たちから学ぶものとは…>
伝統的知識のさらなる理解と認識を築き、先住民族や地域社会や政策決定者による取り組みを伝えるため、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は2007年、伝統的知識イニシアチブを発足させた。このイニシアチブは先住民族の現在の慣習と長年培われてきた知識の活用を研究している。広く行き渡った開発手段があまりに多くの問題を引き起こしてきた世界にとって、イニシアチブの研究は極めて重要である。実際、現代社会は過去の先住民族社会から、資源の効率的な活用方法や廃棄物の管理システムの向上方法に関する価値ある洞察と教訓を学ぶことができ、またそうすべきだ、と。

2000年から2050年の間に、世界の人口は50%、世界の経済活動は500%、世界のエネルギーおよび資源利用は300%、増加すると予測されている。こうした傾向は、すでに著しい負荷を掛けている地球の資源と環境にさらなるをストレスを掛けることになるだろう。1992年の地球サミットの会期中、世界のリーダーたちは「地球環境の絶え間ない劣化を引き起こす主な原因は、物資の製造と消費と廃棄が着実に増加していることだ」と警告している。同時にリオ宣言では、持続可能な開発と貧困の根絶を背景とした「グリーン経済」政策が持続的かつ包括的な経済成長を促進し、持続可能な消費および生産形態を助長するのだと断言した。

資源利用と廃棄物管理は、先進国と開発途上国では大きく異なる傾向がある。人間生活や社会が豊かさを限りなく求めれば、消費される資源や生み出される廃棄物(固形および液状)は多くなる。従って、先進国は開発途上国よりも多くのエネルギーや水、金属やプラスチックなどを消費する。2012年の世界銀行のデータでは、こう見ていた。アメリカの平均的な居住者が1日に出す廃棄物は3.5キロだが、一部のアフリカの都市居住者の場合、1日1人当たり200グラム未満である。
イニシアティブでは、また先進諸国における廃棄物発生率は安定化あるいは緩やかな増加の傾向を示している。この傾向は、先進諸国の経済システムの成熟を反映すると同時に、人口の緩やかな増加あるいは減少も反映している。先進諸国は、経済成長がそのまま廃棄物の増加につながらないようにするため、資源効率性の向上や、廃棄物対策、リユースやリサイクリングを最大限に活用する取り組みを提言している。

一方、開発途上諸国では、経済成長と都市化によって廃棄物発生率が急速に増加している。世界銀行によると、廃棄物発生率の増加スピードは近い将来、アフリカとアジアで最も急速になる。例えば、今後20年間でサハラ以南のアフリカから排出される廃棄物は3倍になる見込みだ。中国は2004年にアメリカを追い抜くと看破。現在、世界最大の固形廃棄物の排出国になっている。
開発途上諸国の多くの都市では、廃棄物の回収や適切処理システムを国民に提供することが今でも困難である。その結果、大気や水や土壌が汚染され、公衆衛生には負の影響が及んでいる。しかし適切な廃棄物管理は、雇用機会を創出し、社会のエコロジカルフットプリントを削減することができる。従って固形廃棄物に関する政策・制度設計では、廃棄物の発生を最低限にし、廃棄物資の再利用とリサイクリングを最大限に活用することを目指すべきだと提言している。

技術革新が現代の廃棄物問題に対する回答として見られることは多い。しかし、例えばメキシコのアステカ族のような、偉大な古代社会が活用していた歴史的手法から、私たちは何を学ぶことができるだろうか? アステカ族の廃棄物管理や資源利用のような過去のシステムは、現代の世界にどのような関連性を持つだろうか?と、イニシアティブは結んでいる。

Monday, December 10, 2018

環境ビジネス成功例 6つの共通点 環境ビジネス ここがポイント 1999.10.15

主要企業のうち環境ビジネス市場においてシェアを広げているのは早くから自社の蓄積した技術を環境ビジネスにシフトして参入した企業だ。いってみれば、経営トップの先見性と環境配慮の発想による事業転換がパイオニアプロフィットを享受したといえる。しかし、後発組においても環境ビジネスは、いまや全産業にわたり至るところにビジネスチャンスが広がっており、参入事例においても成功数はかなりの数にのぼる。中には旧態の業態を環境ビジネスによって再構築に成功した例もある。

環境ビジネスの成功事例を見てみると、いくつかの共通点が拾える。1)環境ビジネスへの参入動機・目的が環境負荷の改善など強い環境配慮に裏打ちされている。2)現業の延長上に環境ビジネスをはっそう。たとえばリサイクルビジネスを立ち上げる際、リサイクルを事業化するのではなくて、現業の一事業をリサイクル事業化するという発想。製錬技術を生かして家電リサイクル分野へ進出するといったケース。3)マーケティングリサーチを行い、市場のニーズをきちんと把握。4)技術開発と同時に事業開発を行う。技術を活かすためのシステム作りが必要。リサイクル技術があっても回収ルートや再資源化システムが確立されていないと、技術が動かない。システム構築を含む総合的なマネジメント能力が問われる。5)地域に会合った適正な技術や事業を導入。6)政策や施策を読める能力。公共事業の参入において共同研究によるマッチング。1)企業と企業-コンソーシアム、2)企業と行政 - PFI(Private Finance Initiative)、3)企業と大学 - 産学共同による技術供与あるいは提携、4)企業と公的研究機関、などがある。

Saturday, December 1, 2018

環境の世紀へギアチェンジ

 <環境の世紀へとギアチェンジ…。>

 環境劣化が急速に進む21世紀.ものづくりの延長線上にたどり着いた公害・環境技術を所有する日本は多様な装置・機器等を輸出・移転可能な環境技術立国になった。このたどってきた変遷こそが、アジア農耕地域に貢献でき、国益に叶ってる。
 現政権は「環境破壊の最大誘因」を触発する戦争誘発武器、及び環境リスクの高い原発を国策として輸出しようとしている。中国、及びアジア等の発展途上国では工業化・都市化に伴って、環境・公害問題が顕在化は必至だ。それを考えると、自ずと貢献すべき立ち位置は明確であり、ここに日本の国際的な信頼性、国益が発揮できるのでは。。
20世紀は領土、領海を線引きする軍事同盟、通商条約の時代から、持続可能の経済・社会が求められる今世紀は地球財を公平にシェアすべき「環境の世紀」である。環境リスクヘッジは単に自然環境の変化の対応だけでなく、環境負荷の著しく高い戦争による環境リスクを包括的に考えたいものだ。
 環境産業は一部企業による武器・原発産業と異なり、1次~3次まで全産業及び地域中小企業へと裾野を広げているのだ

Thursday, November 22, 2018

グリーンコンシュマ13の原則

グリーンコンシューマ(緑の消費者)の台頭で新市場の創出へ

●一般消費者・生活者意識の変化 国内の環境ビジネス市場は第1次、2次、3次まで全産業に裾野を広げ、全員参加型の市場へと 自律的に発展中だ。市場の内訳は官公需要、民間需要に分けられるが、本線は民需の企業需 要である。しかしこれから拡大が予想されるのが一般消費者(生活者)市場だ。 その牽引者がグリーンコンシューマ(緑の消費者)の存在だ。商品購入にあたり、環境配慮 を念頭において消費行動をとる新しいタイプの消費者群だ。日本ではグリーンコシューマの 比率は、全消費者の3、4%程度とわずかなものだが、年追う毎にジワリと増えている。 とりわけ2011年3/11・東日本大震災後、一般消費者の中に自然環境、人間を含む生命、食の 安全・安心、エネルギー問題などの関心が高まり、加えて不況風がふく中で浪費を抑える生 活習慣の定着がグリーンコンシューマが都市部を中心に増えている 。 旧聞こ属するが、ここに最近の消費者意識についての調査結果がある。 2014年4月に電通が実施した「環境問題に対しての消費者意識」調査だ。 関心のある社会問題を複数回答で聞いたところ、「環境問題」が前年比3・5ポイント高い69 ・1%で1位。2008年に調査開始以来6年連続の1位。2位は「自然災害」だった。 環境意識に関する質問では65・5%が「環境問題に配慮することと生活をたのしむことは両立 できる」と回答。前年比3・7ポイント上昇している。09年(55・9%)から5年間で着実な伸 びを示している。 また生活面では「自ら進んで節電や節約に取り組みたい」は全体の88%に達した。「多少価 格が高くても今後、利用したい環境配慮型の商品やサービス」では「住宅設備」「家庭用エネルギーシステム」等の住宅関連の伸びが顕著だった。

●グリーンコンシューマの消費行動基準13の原則 こうした一般消費者の意識の変化は商品購入の際の買い物行動にも変化をもたらしている。 「どんな変化なのか?」 予測に近いが、それはグリーンコンシューマの「消費行動」と共通部分が多く見られるので はないか? そこで、グリーンコンシューマの商品購入時に念頭に置く基準を調べてみると、こうなのだ。 要は適正な品質や価格で選ぶのはもちろんだが、環境・エネルギー負荷の少ない商品やサー ビス、及びそれらの提供に努める事業者を選び優先購入するのがポイント。 具体的には以下の基準がある。

①購入時に必要とするものを必要な量だけ買い、余分なものは買い控える。
②価格が高いと思っても長く使える長寿命のものを選ぶ。
③容器・包装材は最小限、過剰包装は避ける。
④商品の生産工程、利用過程、使用済みになった廃棄時に、資源とエネルギーの浪費の少な いものを購入する。
⑤家電等利用する時、電力消費の少ないものを基準に優先的に選ぶ。
⑥有害な化学物質による環境悪化、健康被害の少ない商品を購入する。
⑦生態系と生物多様性を損なわないものを選んで買う。
⑧近隣で生産・製造されたものを選ぶ。
⑨資源を分かち合い、共同所有してシェアできるものを選ぶ。
⑩生産者と消費者が見える関係で商品が流通されているものを買う。
⑪生産者に利潤等公平な分担が保障されているものを選ぶ。
⑫環境負荷の改善に熱心に取り組み、その環境改善情報を公開している会社や店を選ぶ。
⑬次世代、及び途上国等の現世代の持続可能な社会の実現を考えている会社や店を選ぶ。

など13原則の基準があるという。 こうした新たなグリーンコンシュマの拡大は、モノを生産・製造するメーカー、あるいは商 品を販売する企業に対して環境商品の提供を促すことになる。それは結果として一般消費者 (生活者)を変化を読み取り環境商品を提供する企業には大きなビジネスチャンスの到来なの だ。

Tuesday, November 20, 2018

21世紀は「水素文明時代」だ。

●21世紀は水素文明時代  21世紀は「水素文明時代」だと言われ、その時代へ向けてその取組みが加速している。  その技術の中核をなすのが燃料電池(FC:FUELCELL)だ。用途に応じて三つの流れがある。  ひとつは、家庭・業務用の定置型。二つ目は自動車用の車載用で、燃料電池車としてす  でに注目される。 三つ目はノートパソコンや携帯電話等のモバイル機器用だ。技術革  新が日進月歩の燃料電池を追ってみた。  ●燃料電池とは  燃料電池の原理は、簡単に言えば「水の電気分解」を逆にしたもの。つまり空気中  の酸素と水素を結合させればオーケー。「水の電気分解」では、電解質を溶かした  水に電流を通して水素と酸素を発生させるが、燃料電池では、電解質をはさんだ  電極に水素を、もう一方の電極に酸素を送ることによって化学反応を起こし、水と  電気を発生させるのだ。枯渇性が高く、環境負荷は避けられない従来の化石燃料と  は異なり無尽蔵でクリーンなエネルギー(主な排出物は水)として注目されている  「水素」を創り出す装置が燃料電池なのだ。エネルギー資源の90%以上を海外に依  存する日本にしてみれば、重要なエネルギー資源なのだ。燃料電池には固体高分子  タイプと固体酸化物タイプがある。  ●「エネファーム」として家庭用燃料電池の普及進む  家庭用燃料電池を指して言う「エネファーム」とは、「エネルギー」と「ファーム  =農場」の造語。水素と酸素から電気と熱をつくること。つまり水と大地で農作物  をつくることだと言える。「エネファーム」は、言ってみれば各家庭に発電所を導  入するようなもの。自分のエネルギーを自分でつくる。発電とそれに伴う排熱は給  湯、冷暖 房等の熱源に利用可能だ。東日本大震災の東電原発事故以降、ガス・石  油系企業が燃料電池による発電事業の普及に注力している。現在、水素はガス、石  油からの採取が一番コストが掛からないという背景もある。2009年から本格的に市  場が形成されつつある。2018年7月現在、家庭用燃料電池25万台が導入され、実証  試験が繰り返えされている。当時、ENEOS、東芝、パナソニックの3社が競合してい  たが、現在、パナソニック1社が残っている。価格は200万円を切ってきている。  100万円切れば普及率は一気に加速するのではないか…。その導入のための補助金は  毎年組まれているのだ。ちなみに燃料電池導入による光熱費は、年に5~6万円減  らせる。  ●燃料電池・水素自動車の開発激化  燃料電池で発電。その電気でモーターで走行する燃料電池車はエコカーの最終形と  いわれ、トヨタを始め、自動車メーカー各社は開発を急いでいる。政府の目標は2020年までに累計4万台だが、現状は1800台にとどまる。自動車各社としてはモーター  走行よりも従来のガソリンによる内燃装置での走行にこだわるところがあるとすれ  ば水素を燃料とした内燃装置搭載の水素自動車か?どちらにしても水素供給の水素  スタンドの拡充(現在90数ヶ所)が求められている。マスコミ大騒ぎ中の。あのゴー  ン逮捕によって彼らがおススメの電気自動車の勢い低下は必至で、代わりに燃料電  池自動車が脚光を浴びるだろう…。  ●モバイル(移動)機器での利用拡大  携帯電話やパソコン等携帯機器に使っている従来型の電池よりも長時間利用できる  燃料電池は電気製品、通信 機器メーカー各社で開発が進められてきた。広がるモバ  イル機器市場と伴にここにきて需要が急伸と聞く。ただメタノールと空気を反応さ  せる方式が一般的で、テロ対策で飛行機内等への水素採取のメタノール・カートリ  ッジ持ち込み困難なのが、現在ネックになっている。  ●化石燃料以外からの水素採取  エネルギー資源の大半を海外に依存する資源小国の我が国では純国産・国内調達可能  な「水資源」「バイオマス」から水素採取できれば資源セキュリティも確保できる。  日本では「水素社会」普及は何よりも国益に添っていると思われるのだ。国のエネル  ギー政策の転換期を迎えている。