#3 「中国の産業スパイ事例紹介」
中国の産業スパイの話はよく耳にしますが、実際にサイバー空間でどのような事例が発生したかはあまり語られていません。今回はその具体的な事例を紹介したいと思います。
具体的にいつ何が盗まれたかというと、2011年にデバイスドライバー、つまり制御ソフトウェアが中国に盗まれたという実際の事例があります。この頃、アメリカのブルームバーグなどの記事で「中国がアメリカのものを盗むのをやめろ!」という記事が頻繁に見られました。実際にとんでもない額の富が中国に流れているという話があり、今回の事例もその一つです。
具体的な会社名を挙げると、アメリカの「アメリカンスーパーコンダクター(AMSC)」という会社が被害に遭いました。当時、中国の「遼寧省のシノベル」という会社がAMSCのデバイスドライバーを盗んだとされています。シノベルはそのソフトを使って、2011年3月に7億ドル以上の受注を受けました。その結果、AMSCの株価が一日で40%も下落し、さらに9月には84%も下落しました。
この事件は、サイバー空間での産業スパイによる壊滅的な打撃の実例です。日本ではあまり報道されていなかったと思いますが、この事例は非常に生々しいものです。
具体的にどのようにして盗まれたかというと、AMSC社のエンジニア、セルビア人のカラバセビッチがターゲットにされました。中国側はSNSを徹底的に調査しました。具体的には、LinkedIn、Facebook、Twitterを利用し、以下の情報を把握しました:
離婚問題で難航していること
職場での降格
生活パターン
好きなコーヒーショップやレストラン
自宅と勤務先の住所
通勤時間
アジア系の女性が好みであること
これらの情報を基に、中国側はリクルーティングの話を持ちかけ、北京に専用のオフィスを設け、ソースコードの提供を求めました。
カラバセビッチはこのハニートラップに引っかかり、170万ドルでソースコードを売りました。しかし、この非対称性は驚くべきもので、AMSCは10億ドルの価値を失いました。この事例は、SNSが産業スパイに利用された実例であり、国を挙げて行われたものでしょう。
実際にサイバー空間で行われた産業スパイにより、企業の株価が80%も下がり、10億ドルのダメージを受けたという話です。この事件は、中国がいかにして他国の技術を盗み、それを自国の利益に変えるかを示しています。中国は、サイバー攻撃や産業スパイを通じて、他国の企業から技術や知的財産を盗み出し、それを利用して自国の産業を発展させているのです。
このような事例は、今後も続く可能性があります。企業は、自社の技術や知的財産を守るために、セキュリティ対策を強化しなければなりません。また、国際的な協力を通じて、産業スパイやサイバー攻撃に対する対策を講じることが重要です。この事件は、企業と国が協力してサイバーセキュリティを強化しなければならないという警鐘を鳴らしています。
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