2018年12月6日木曜日

裾野の広げる環境ビジネス

<全産業・全員参加型のビジネスへ発展>

我が国の環境ビジネスの市場規模は着実に拡大している。環境省の調べにと、2016年の市場規模は約104兆円、それに伴う雇用規模は約260万人に達している。この市場規模は、常に注目を浴びる自動車産業の約65兆円(2016年)、また建設産業45・5兆円(2015年)の市場規模と較べてみると、一目瞭然。如何に巨大産業化しているか、が理解できるのだ。
マスコミ等では原発再稼働、脱原発対応の再生可能エネルギー、スマートグリット、スマートハウス、エコカー等々のエネルギー関連の報道がやたらと目に付くが、環境ビジネスはこれらを含めて、もっと広くかつ深く、着実に市場を広げているのだ。言ってみれば各産業に裾野を大きく広げるかたちで成り立っている。 
例えば、農業、林業、畜産、水産の第一次産業ではバイオマス資源を利活用に始まり、有機系廃棄物のリサイクル、有機農業を軸としたパーマネントアグリカルチャー、国内産材・間伐材を利用した建築資材等の他、地産地消の太陽光、風力、小水力発電等が挙げられる。また製造業、建設業、鉱業の第二次産業の製造業では、さまざまな再生可能なエネルギー、省エネ、各種環境装置・機器、蓄電池、燃料電池等の機器の開発・販売、建設業では環境配慮型のビル建設、建築廃棄物リサイクル等があり、鉱業では廃家電、廃自動車等のリサイクル事業の他に、最近では電子・情報機器の希少金属等の回収やリサイクル等の事業が拡大しているところ。この第二次産業が現在、環境ビジネスの本流で市場規模が60%以上あるのでは、と思われる。そして電気、ガス、流通、金融等サービス業から成る第三次産業では再生可能なエネルギー、省エネ等の事業提案、環境配慮型製品の流通、環境広告等の他、さまざまなグリーン・コンサル分野が広がっている。最近においては省エネルギーに係わるBEMS(Building Energy Management System)、HEMS(Home Energy Management System)の設計・導入等の事業が拡大してきている。このように環境事業は全産業にわたり、全員参加型のビジネスに発展し、参入企業数は1万社を超え、事業アイテムは900にのぼり、ここに揺るぎない成長要因が隠されいるのだ。

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