従来、 紙の原科には木材パルブが使われている。 製紙業界では森林資源保護のために植林活動や古紙のリサイクルを盛んに進めているが、その一方で、 木材パルブに 替わる原科としてケナフ (アオイ科の一年草) やパガス(サトウキビの絞りカス)、 ワラ、 コットン、フラックス(亜麻)といったセルロース繊維を含む植物を使った非木材紙が脚光を浴びている。 なかでも日本で最も多く使われているのは、大量生産が可能で品質面でも木材と変わりがないケナフとバガス。ケナフは半年ほどで3~5メートルにも成長し、CO2の吸収量が樹木の約5倍と多いのが特徴で地球温暖化抑制の観点からも注目されている。また、ケナフの栽培はアジア地城で盛んに行なわれ、 バルプ化されたものが日本に輪入されてぃるため、輪入量が増えれば途上国の貿易活性化に貢献できるメリットもある。
国内では93年に三島製紙がケナフ100%の印刷用紙を開発したのをはじめ、94年には新王子製紙がケナフ80%、リンター(綿の繊維)20%を混合した高級画用紙を、日本製紙の子会社、東北製紙ではケナフ30%と上質古紙35%を混入した塗工紙を製品化。キャノン販売も98年3月からケナフ100%のインクジェット紙とコピー用紙を販売している。紙流通大手の平和紙業は日本製紙、新富士製紙などの製紙会社と協力しtえ、再生紙やケナフを混入した紙製品など約40銘柄を開発。ポスター、カタログとった商業用印刷物や名刺などに加工、自社グループのアンテナショップを通じて直接消費者への普及も進めている。
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