神奈川県は「県地方税制等研究会」の中間報告を受け、生活環境税制(アメニティ税制)の創設などを提言しました。これを基に、県は税制創造の条例案を9月の県議会に提出予定です。提案されている新税には、水質汚濁や大気汚染物質を排出する事業者への環境保全税、水道料金に上乗せされる水源環境税などが含まれています。これらは早ければ2001年4月にも導入される予定です。
地方自治体の環境保全対策費は約6兆円に達しており、そのうち約4兆300億円を自治体が負担しています。地方財政は厳しく、独自財源の確保が求められている状況です。特に、法定外目的税は住民の受益と税負担の関係が明確であり、自治体の裁量が大きくなるため、多くの自治体が期待を寄せています。
現在、日本各地で自治体独自の環境税が検討されています。例えば、山梨県では富士山の環境保護を目的とした富士スバルラインの通行料を環境税化することが検討されています。また、長野県では中央アルプスの環境保護のため、駒ヶ岳ロープウェイ利用者への課税が計画されています。三重県では産業廃棄物の埋立税が提案され、その他の地域でもさまざまな環境税の導入が検討されています。
さらに、環境庁の経済的手法活用検討会は、炭素税とCO2排出量取引の有効性を報告しています。炭素税のみに依存する場合、税額は炭素トン当たり3万~4万円になると試算されていますが、排出枠の購入や省エネ設備への補助金を組み合わせることで、税額を大幅に抑えることが可能です。
また、循環型社会国民推進会議が「環境を守るための費用に関する提言」をまとめ、グリーン購入やごみ処理有料化、再資源化コストの明確化、環境税、デポジット制度などの施策が必要とされています。この提言に基づき、自治体や企業が環境保全のための具体的な取り組みを進めています。
東京都では、低公害車の普及を促進するため、大手自動車メーカーやガス供給会社と連携し、CNG車やLPG車の導入とインフラ整備を進める計画です。具体的には、新市場創出戦略委員会を設立し、低公害車の市場形成を目指しています。
さらに、潤滑油のリサイクルと長寿命化に向けた取り組みも紹介されています。潤滑油協会が使用済み潤滑油の回収・処理を促進し、化学発光法を用いた酸化安定評価方法の研究を進めています。また、建設廃棄物の再資源化を進めるための技術・事業の重要性も強調されています。
これらの取り組みは、日本全体での環境保全と持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となっています。環境税の導入や省エネルギー推進策、リサイクルの促進など、各地での具体的な施策が今後の環境保全に寄与することが期待されます 。
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