2024年7月1日月曜日

企業75 内海企画株式会社 2000 01 66

 内海企画株式会社は、多くの自治体や回収業者が処理に困っている使用済みPETボトルを一貫リサイクルする事業を展開しています。同社では、100%PETボトル再生原料から生産したエコマーク認定リサイクル製品を全国の量販店や生協に販売しており、年商24億円に達する見通しです。98年9月に完成したPETボトルの一貫リサイクル工場が、短期間でここまで成長した背景には、内海正顕社長のマーケット重視の発想があると言えます。現状では、いくら再資源化というポイントがあっても、価格に割高感があれば市場で受け入れられません。コスト競争力のあるリサイクル商品をいかにして創り出すかが重要です。


PETボトルのリサイクル事業は、回収されたPETボトルをリサイクル可能なボトルと不可能なボトルに選別し、原料PETフレークをシート化して最終製品を製造する一貫生産が特徴です。輸送費削減はもちろん、再生された原料の購入者であり使用者でもある同社は、品質もコストも妥協せず、最大限の機械化を図りつつ原価低減を実現しています。


また、内海企画は容器包装リサイクル法がPETボトル事業を強力に後押ししてくれるとし、同社は今後も事業展開を続ける意欲を見せています。2001年には株式店頭公開を目指しています。


会社設立当初からこだわったのは、原料から製品までの一貫生産と製品の用途開発です。内海社長は、リサイクルのために工場を作るのではなく、競争力のある最終製品を作るためにPETボトルのリサイクルを活用するというマーケットからの発想を持っています。内海企画は、バー ジンPETにも負けない価格競争力を実現し、全国の量販店や生協に納入しています。


内海社長は、リサイクルPETの用途開発を今後さらに加速させる予定であり、近い将来には飲料用PETボトルへのリサイクルも実現する見込みです。また、現行のPP素材で作られている容器や部品もPETで代替可能なものが多数あると述べています。同社は、技術開発に多くの時間を費やした結果、コスト競争力を維持しながら機械化を進め、全体として原価低減に成功しています。


会社の沿革としては、1993年に資本金1000万円でスタートし、1995年には大阪府研究開発型企業振興財団による5000万円の社債引受を受け、1998年には基盤技術研究促進センターからの資本参加を得るなど、順調に業績を伸ばしてきました。現在の資本金は2億円、従業員数は本社10名、工場31名であり、売上は1997年に8億3600万円、1998年に15億1500万円、1999年には20億円を見込んでいます。


内海社長の発言からも、同社がPETボトルのリサイクル事業に強い意欲を持っていることが伺えます。彼は「使用済みPETボトルを原料にしている我々にとって、PETボトルはまさに現代の原油です」と述べており、同社がPETボトルのリサイクルに寄せる想いが強く感じられます。

0 件のコメント:

コメントを投稿