建設リサイクル市場の成長と課題 - 2002年3月
日本政策投資銀行の調査によると、建設リサイクル市場は2000年から2010年にかけて年平均75%の成長が見込まれている。特に、2002年5月に施行される建設リサイクル法の影響で、再資源化率の向上が期待され、市場規模は年間8000億円から9000億円に達すると試算されている。
この法律は、建設工事に伴って発生するコンクリート塊、アスファルト塊、木材などの資材を再利用し、廃棄物削減を目的とする。建設業界では、資源循環型の事業モデルへの移行が求められており、大手ゼネコンや中小企業が新たなリサイクル技術の開発に取り組んでいる。
しかし、リサイクル設備の整備や再資源化製品の市場形成には課題も多い。特に、リサイクルされた建設資材の品質基準の確立や、一般建築市場での受け入れ体制の強化が必要とされている。また、一部の自治体では、解体工事業者による分別解体の徹底が進んでいないことから、法施行後の適正な運用が問われることになる。
建設リサイクル市場の成長は、資源循環型社会の実現に向けた重要な要素の一つであり、今後の法整備や業界の取り組みが市場拡大の鍵となる。
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