Thursday, March 13, 2025

森羅の筆跡 ― 鉛筆リサイクルの歩み 2001年より2025年へ

森羅の筆跡 ― 鉛筆リサイクルの歩み 2001年より2025年へ

北星鉛筆は、鉛筆製造時に発生するおがくずを活用したリサイクル技術を開発しています。通常、鉛筆の製造工程では板の約40%がおがくずとして廃棄されますが、同社はこれを微粉末化し、新素材「もくねんさん」として再利用する取り組みを進めています。かつては銭湯の燃料として利用されていましたが、銭湯の減少とダイオキシン問題により焼却が難しくなったため、新たな活用法が求められていました。

このリサイクル技術には日清製粉グループの日清エンジニアリングが協力し、トナー粒子製造技術を応用することでおがくずを約100メッシュの微粉末に加工することに成功しました。この微粉末は、粘土状の素材として加工可能で、鉛筆の芯に巻き付けることで鉛筆としても再利用できるほか、さまざまな用途に展開されています。

北星鉛筆のこの取り組みは、廃棄物の削減と資源の有効活用を実現し、環境負荷を低減する重要な技術となっています。

2025年時点での北星鉛筆の取り組み

北星鉛筆は、2025年現在も環境に配慮した製品開発を続けています。「もくねんさん」は、乾燥すると木のように固まるエコロジー粘土として、多くのユーザーに親しまれています。また、同社の工場見学施設「東京ペンシルラボ」では、鉛筆の製造工程や歴史を学ぶことができ、見学者は「もくねんさん」を使った粘土体験も楽しめます。さらに、製造工程で出るおがくずを利用した着火剤「着火薪」も開発し、焚き火やバーベキュー、暖炉の点火に役立てられています。

これらの取り組みは、北星鉛筆の環境への配慮と創造性を示すものであり、今後も持続可能な社会の実現に向けた活動が期待されます。

関連情報
- 北星鉛筆公式サイト
- 東京ペンシルラボ(工場見学)
- 着火薪(おがくずリサイクル製品)

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