Tuesday, November 12, 2024

南極の氷棚崩壊の歴史と現���(1999年〜2020年代)

南極の氷棚崩壊の歴史と現状(1999年〜2020年代)

1998年から1999年にかけて、南極半島のラーセンB氷棚で大規模な崩壊が発生し、約2800平方キロメートルの棚氷が崩壊しました。科学者は、この崩壊の原因として気候変動、とりわけ地球温暖化を指摘しており、過去50年間で約2.5℃の気温上昇が確認されています。ラーセンB氷棚の崩壊は、周辺の氷河が海に流れ込む速度を加速させ、海面上昇のリスクを高める結果を引き起こしました。地球規模での環境変化の一環として、国際社会は氷棚崩壊を気候変動の警告として注視してきました。

2020年代に入ると、南極の氷棚崩壊はさらに進行し、特にスウェイツ氷河が「終末の氷河」として注目されています。スウェイツ氷河はフロリダ州ほどの広さを持ち、年間約500億トンの氷を失っています。2021年には、氷河を支える棚氷が今後5年以内に崩壊する可能性が指摘され、完全に崩壊した場合には世界の海面が約60cm上昇すると予測されています。2023年には、南極の162の氷棚のうち68が大幅に縮小し、うち28の氷棚が半分以上の氷を失ったと報告され、スウェイツ氷棚だけで約4.1兆トンの氷が失われたことが明らかになっています。

これらの氷棚崩壊は、海水温の上昇が主な原因とされ、今後の気候変動によってさらに悪化する恐れがあります。この事態を受け、各国では温暖化対策の強化が急務とされています。例えば、エクソンモービルは2050年までに自社の温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げ、シェルも再生可能エネルギーへの投資を進め、化石燃料からの脱却を図っています。

南極の氷棚崩壊は、気候変動の影響が現実のものとなっている事例として注視されており、今後の対策が地球規模での課題として求められています。

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