Tuesday, November 12, 2024

ヒートアイランド現象の経緯と対策 - 2003年8月から2020年代��で

ヒートアイランド現象の経緯と対策 - 2003年8月から2020年代まで

東京都心部では、長年にわたる都市化によりヒートアイランド現象が進行し、気温上昇が深刻化しています。2003年の環境省の調査によると、千代田区大手町での最低気温は過去100年間で約4度C上昇し、横浜市の約2度C上昇や熊谷市の約2.5度C上昇と比べても、東京都心の温度上昇が特に著しいことが分かりました。この現象は、高層ビルの密集、エアコンからの人工排熱、道路舗装率の増加などによるものとされています。

東京都ではヒートアイランド現象に対抗するため、都市緑化と冷却舗装の導入が進められています。たとえば、日比谷公園(千代田区)や新宿御苑(新宿区)では大規模な緑地拡充が行われ、緑化エリアが都市の熱を吸収することで周辺の気温が年間を通じて約1〜2度C低減する効果が確認されました。また、港区のアークヒルズでは、屋上緑化によりビル表面温度が最大で約20度C下がる効果が得られています。建物の窓には低放射(Low-E)ガラスが使用され、冷房の負荷を最大で15%軽減できることが実証されています。さらに、清水建設が開発した断熱材が都心部のビルに導入され、外壁の温度を約1.5度C下げる効果が確認されています。

2020年代に入ってからも、東京都心のヒートアイランド現象に対する対策が強化されています。NTT都市開発が手掛ける「品川シーズンテラス」では、敷地内に約3.5ヘクタールの緑地が設置され、周囲の気温が平均で1〜1.5度C低減される効果が確認されています。さらに、建物外壁には高反射率塗料が用いられ、表面温度が最大で10度C低減され、周囲の気温も約1〜2度C低下しています。

道路の対策としては、保水性舗装が導入され、路面温度を通常のアスファルト舗装と比べて約10度C低減することが確認されています。この遮熱性舗装は、東京都内の主要幹線道路や東京外郭環状道路(首都高C2号線)に採用され、都市部の温度上昇を抑えるために効果的に機能しています。

これらの施策は、日本気象協会や清水建設、東京ガスとの連携によって進められており、地域ごとの温度低下効果を定量的に分析しながら継続されています。2050年までに東京都心の気温上昇を1度C以上抑えることが目標とされ、今後も多様な技術や取り組みによって都市環境を持続可能に保つ方針が示されています。

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