三番瀬干潟再生計画-2007年3月
千葉県の三番瀬干潟は、東京湾最奥部に位置し、約1800ヘクタールの広さを持つ重要な生態系です。しかし、過去の埋め立てや水質汚染により、生物多様性の減少や漁業資源の低下が深刻化していました。これを受け、千葉県は2007年3月に「三番瀬再生計画(基本計画)」を策定しました。
この計画では、以下の5つの目標が設定されています。
1. 生物多様性の回復:干潟・浅海域の生態系を再生し、多様な生物が生息できる環境を整備する。
2. 海と陸との連続性の回復:護岸の改修や自然海岸の復元を通じて、海と陸の自然な連続性を確保する。
3. 環境の持続性及び回復力の確保:水質改善や底質環境の改善を図り、持続可能な環境を実現する。
4. 漁場の生産力の回復:漁場の環境改善や資源管理を推進し、漁業の生産力を向上させる。
5. 人と自然とのふれあいの確保:環境学習やエコツーリズムの推進を通じて、地域住民が自然と触れ合う機会を増やす。
具体的な施策として、44の事業が計画されており、干潟的環境の形成や生態系の調査、漁場改善事業、護岸改修、環境学習プログラムの実施などが含まれています。
この再生計画は、地域住民や漁業者、環境団体など多様な主体の協働によって進められており、持続可能な環境保全と地域活性化のモデルケースとして注目されています。
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