Saturday, March 15, 2025

ロックよ、どこへ行く ― 俺たちの10年(1967-1977)

ロックよ、どこへ行く ― 俺たちの10年(1967-1977)

ロックが変わった。
10年前、俺たちが夢中になった音楽は、ただの娯楽じゃなかった。ウッドストックがあった頃、俺たちは音楽に救いを求めていたんだ。それがいつの間にか、金儲けの道具になってしまった気がする。

「60年代の終わりに、なにかが輝く光のようにきらめいた。俺たちは新しい生き方を見つけたはずだった。でも、そのほとんどがコマーシャリズムに絡め取られ、風化してしまった。」

60年代、ロックは革命だった
60年代の終わり、ロックは俺たちの「生き方」そのものだった。ビートルズが「All You Need Is Love」を歌い、ストーンズが「Street Fighting Man」で暴動を煽った。ジミ・ヘンドリックスはギターで星条旗を燃やし、ウッドストックでは50万人がひとつになった。
音楽は、体制への抵抗そのものだったんだ。

「ウッドストックがあった頃、俺たちはただの観客じゃなかった。音楽を聴くことは、戦争に反対することだったし、新しい世界を作ることだった。」
「そうさ。ロックを聴くことが、既存の価値観をぶち壊すことだった。」

70年代、ロックは金儲けの道具になった
だけど、気がつけばロックは変わっていた。
でかいレコード会社がバンドを囲い込み、ビッグマネーが動くようになった。フェスはスポンサーだらけになり、ミュージシャンもどんどん企業化していった。プログレッシブ・ロックが流行り始め、ロックは複雑になりすぎた。ディスコが台頭して、世の中の流れも変わった。

「なぁ、いつからロックは『ちゃんとした音楽』になっちまったんだ?」
「そうだよな。昔は、荒削りでも魂があった。今は、なんだか計算されすぎてる。」

テレビに出て、ヒットチャートに載ることが目的になってしまった。ロックは、もはや革命じゃなくて商売になったんだ。

それでもロックは死んでない
だけど、すべてが終わったわけじゃない。
俺たちはまだロックを信じてるし、新しい動きもある。例えば、パンク。あいつらの音は荒削りで、雑音みたいだけど、そこには怒りがある。反骨精神がある。

「パンクって、60年代の精神を取り戻そうとしてるのかもな。」
「いや、それとも、これは新しい時代のロックの始まりかもしれないぞ?」

ロックは変わった。でも、ロックはまだ生きてる。
俺たちは、また新しい音に出会えるんじゃないか?

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