Sunday, January 4, 2026

ダムの時代は終わったという衝撃 1990年代半ば

ダムの時代は終わったという衝撃 1990年代半ば

1990年代半ば、米国のダム行政責任者が来日し「ダムの時代は終わった」と語った発言は、日本に強い衝撃を与えた。ダムは長く、治水、利水、発電を担う近代国家の象徴であり、日本でも戦後復興と高度成長を支える公共事業の中心とされてきた。しかし米国では1980年代後半から、ダム建設による水質悪化や湿地消失、魚類の回遊阻害、先住民文化の破壊といった環境コストが深刻に受け止められるようになっていた。発言の背景には、便益のみを重視し、負の影響を十分に評価してこなかった行政自身への反省がある。行政の役割は新設から自然回復へ移行し、老朽ダム撤去や河川再生が政策課題となり始めていた。この言葉が日本で響いたのは、バブル崩壊後に公共事業の費用対効果や環境負荷が問われ、巨大インフラ信仰が揺�
��ぎ始めていた時代状況と重なったからである。ダムを当然視してきた近代化の発想そのものを問い直す象徴的な一言だった。

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