2023年10月18日水曜日

地場のゼネコンによる地方での環境ビジネス 1994.02.15

▼過日、地方に拠点を置く中堅ゼネコンの社長に 会った。その社長の環境への見識、実践的な取り 維みにはたいへん感銘を受けた。現在、有機農法 を基盤とした農業の再生に力を注いでいる。地元の一部の農家と共に地域の環境保全のために、川 の支流にビオトープを作ったり、休耕地の地力回 復を図るため堆肥を施したり、有機野菜を都市の 消費者に提供する提携運動も行なっている。

▼「日本の農業というのは生産性も悪いし、所得も 低い。それを建設粟界が公共事業を通して雇用と いう形で金を還元してきたわけです。現在、国か ら公共事業を削減され、一方では減反政策を押し つけられる。これでは農業はダメになる一方で す。農業と建設業は運命共同体みたいなもので す。ですから農業の衰退を黙って昆ているわけに はいかないのです」。社長は農業の疲弊は自然環 境も劣化させるという危惧を抱いている。▼社長 はさらに言う。 「地域情報は、地場の建設会社が いちばん詳しいと思います。環境について言えば 汚い物を処理するために穴を掘ったり、埋めた り、あるいは化学工場などのメンテナンスなど粟 務の性格上、何処にどんな危険物が置かれている か。過去の環境の賑化原因はすべて知っているわ けです」。循環型社会、環境維持・保全を図るう えで重要なのは、地域発の取り維みである。その 場合、地域の情報通である地場のゼネコンの役割 は大きい。 「地場のゼネコンだから実現できる環 境対策はいくらでもあります」。裏を返せば地場 のゼネコンこそ環境ビジネスの商機はいっぱい 持っていることになる。それが個々に機能し、萎縮してしまっている。

▼「環境に対して心あるゼ ネコンがロ ーカルにネットワ ーク化し、国や県、 市町村から予算をとるシクミを作ってビジネス化 すれば、日本の農業も、環境も、地域も守れるん じゃないかと」。地域単位の現境施策が次々と出されている。 「最近では行政側にも真剣に環境を 学んでいる人が増えています。一緒になってパートナーシップを組むかが課題です」。地場のゼネコンによる地方での環境ビジネスの火の手が上がるのもそう遠くはない。

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