2023年10月23日月曜日

ISO14001認証取得を中心とした環境監査について 1998.06.15

 「ISO14001の認証取得によって環境問題は解決するのか?」とい う基本的な問題が投げかけられることがある。そこで、今回はこの 観点からアプローチしていきたい。

(1)規格の構想

IS014001の認証取得とは、環境マネジメントシステムを構築し、運用する。そして、その結呆を見直し、トップマネジメントの責務 として、環境方針、目的および目標をスバイラルアップさせて、次の問題の解決に当たるという方法論を1S0規格に沿って行なうとい うことである。この一連の流れを環境マネジメントシステムの「PDCAサイクル による継続的改善」とIS0!4001という国際規格では、環境マネジメ ントシステムという枠組みを構築し、この枠組みをどう運用してい くか、ということしか決めていない、ということに注意しなければ ならない。環境マネジメントシステムの中に位置づけられている`方針、目 的、目標は、どこかにそのお手本があるのではなく、このIS014001 による環境マネジメントシステムを採用する組織や企業が、自主的 に決めていかなければならないものである。平たくいえば、問題解 決のための枠組みづくりをやりましょう、その枠の動かしかたも教えましょう、しかし、その枠をどう埋めますか、より内容の高いコンテンツにどう取り組みますか、ということには、何も触れていない、ということである。さらに、環境マネジメントシステムが良好に機能しているかどうかは、企業で内部環境監査を行ない、さらに、審 査機関によるサーベイランス、再審査という第三者認証を実施する ことになっている。つまり、JS014001の認証取得には、(1)環境マネジメントシス テムづくりと、(2)環境マネジメントシステムの整備、運用の状況を第三者認証として審査機関に保証させる、ということの二面があるといえる。

(2)規格の充足、現実的対応

このように考えてくると、IS014001そのものは国壊問題をどのようにマネジメントシステムに組み込んで、解決していくか」という具体的な展開を予定しているのではないことが分かる。たとえば、環境マネジメントシステムでは、まず、現境方針を定め、環境側面の評価を行ない、重要な環境側面を抽出し、実施すぺき目的 ・ 目標を決めるとある。環境方針については、これは、生物、水、大気、土壌などに対する生態系の維持・保全しかない。しかし、環境側面の評価はどうするのか。環境側面の評価を行なう前に、IS09000s認証取得のレペルまでとはいわないが、それと同水準の品質管理システムをもっていればなおいい。その上で環境側面の評価を行なう、また、LCAを展開していけば、さらに大きな環境カイゼン効果がでる。IS014001の環境マネジメントシステムというのは、このような背後の品質、生産管理という前提条件が揃い、スパイラルアップための意思決定に資する情報、LCA、EPEに関する情報があり、はじめて有効に機能するものではないかと考える。だから、ISOI4000sで、LCA (ライフサイクルアセスメント)、EL (エコラペル)、 EPE (環境バフォーマンス評価)というシリ ーズとなっているのである。なお、このほか、環境報告書、廃棄物の国際間移動など、今後も問題点が充足されていくことが予想される。



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