Tuesday, January 13, 2026

一般廃棄物の約6割を占めるといわれる容器包装材。

一般廃棄物の約6割を占めるといわれる容器包装材。
そのリサイクル推進を目的とした容器包装リサイクル法が、いよいよ2000年4月から完全施行されます。
PETボトル以外のプラスチック類や、段ボールと飲料用紙パックを除く紙類などが対象になります。
そこで、再商品化あるいはそのコスト負担が容器製造・利用会社に義務づけられています。
彼らは、より再生負荷の少ない、そしてひいてはより環境に配慮した容器包装の開発・転換に一斉に取り組み始めています。
「環境に配慮する」という動きを裏付けるものがあります。
この流れに先駆けて行動しているのは、売上高の約2割を占めると見られる大日本印刷です。
同社は、既に容器の新製品開発の際にLCAを実施することを日常的に行っています。
2000年春までに、発売済みの製品すべてに対して環境負荷データをLCAによって整備する予定です。
「ここ数年、営業部門への環境に関する問い合わせが急増しています。
そこで、当社が日々行なっている包装材の企画、開発、提案の中に、どのように環境を考慮するかを取り入れました。
その支援ツールとしてLCAに注目しました」と、環境問題を専門に扱う包装事業スタッフ部門、包装総合開発センターの環境包材対策室の室長である長谷川さんは述べています。
彼は、「環境に優しいか否かを単に口で言うのではなく、科学的な尺度で環境負荷を裏付けることがLCAの大きな強みです。
社内では既存品の素材や製造工程の見直しを行い、新製品の社内プレゼンではクライアントに対して製品の改善点を具体的に示しています。
口頭だけで良くなったと言っても、必ず理由を説明する必要があります」と語っています。
彼らは、95年頃からLCA研究を開始し、97年II月には同社独自のLCA手法を確立しました。
使用しているソフトウェアは、通産省工業技術院資源環境技術総合研究所の「NIRE」です。
さらに、比較のためにオランダのPre-コンサルタント社の「SimaPro」も使用しています。
データベースに関しては、BUWALや資源環境技術総合研究所が作成したものもありますが、容器包装のLCAには適していない部分があるため、LCA担当の環境包材対策室の5人が新たにデータを収集し、負荷を計測しました。
加工機や充填機などの社内の設備から、リサイクルプラントまで、調査対象を広げました。
インベントリ項目は、消費エネルギーやCO2、NOx、SQなどの信頼性の高い項目を含んでいますが、その他の項目についても整備を進めています。
もちろん、既存の項目も修正し、バージョンアップしています。
評価事例を公表し、個別の問い合わせにも対応しています。
98年秋には、パウチ容器、PETボトル、アルミ缶、ガラス瓶など、各種容器の製造からリサイクルまでのLCAモデル評価事例を公表しました。
これを例に、同社のLCAの流れを見てみましょう。
例えば、PETボトル(1500ml、容器1000個当たり)のCO2排出量を見てみると、製造時には本体PET52.0g、キャップPP3.38g、ラベルPET1.76gを使用し、合計で200.2kgです。
充填工場までの輸送(10トントラック、13000個積載、往復200km)では20.8kgです。
充填工程でのエネルギー消費は0.6kgです。
販売店までの輸送(4トントラック、2400個積載、往復200km)では45.2kgです。
リサイクル工場までの輸送では、マテリアルリサイクルを仮定してCO2排出量が-50.5kgとなります。
これらの数字から、PETボトル(1500ml、容器1000個当たり)の総排出量は220.0kgとなります。
これらのモデル評価事例の公表により、納入先からの問い合わせが殺到しました。
自社の設備やトラックの積載量、輸送距離など、自社の環境条件に合わせて計算すると、異なる結果が得られることもあります。
また、製造段階だけでなく、廃棄後のリサイクル段階についての相談も多いです。
環境対策は、すでに企業の競争力を左右する重要な要素となっています。
この傾向は今後さらに強まると予想されます。
そのため、企業がどのように生き残り、または環境という新たな価値を軸に市場を開拓していくかが重要です。
この点で、LCAは重要なツールの1つとなり得ることを、同社の取り組みは示しています。

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