共生の分野では 「自然との共生をめざす」 こととし、 琵琶湖周辺の生態系の保全のほか、
河川や里山をビオトープとしてネットワーク化を図り生物の多様性を確保するとともに、地域での健全な土づくりの推進を行なっている。なかでも土づくりに関しては、 家庭からの生ごみや食品工場で発生する有機汚泥などをコンポスト化し、土壌遺元するシステムを全県的に進めるべく、県民や農協が中心となって協議会を設置、98年度から草津市をモデル地城として具体化している。循環では「くらしと事業活動からの環境負荷を低減する」、つまりライフスタイルを環境保全型に転換することをテーマにしており、 廃棄物の減量化やリサイクル、 省エネルギー型の生活を実現するため、グリーン購入の推進などを内容とする「淡海くらしスリム運動」を展 開。 また、 工場 ・ 事業場における環境菅理システムの構築を推進するため、県工業技術総合セン夕ー内にISO研究会を設け、中小企業の環境ISO取得を支援している。住民参加を大前提とする同計画の根幹を成す自治については、 環境NG0のネットワーク化支援、河川の上下流住民一体となった森林整備、 都市と農村との交流を深める「湖国グリーンツーリズム」 など、 パートナーシップに基づく地域を越えた取り組みを検討している。 その前提として県側も行政活の公正の確保と透朋性の向上を図るため、県民ヘの広報や環境情報の開示を積極的に進めている。 また、将来的にはゼロ・エミッションの考え方を応用した持続可能な地域のモデルづくりにも着手し、計画段階からの住民参加によるリサイクル型工業団地の形成や環境共生都市の創造を図るとしている。「地球環境保全に貢献する」ことを目的とした国際協力では、 国連環境計画 (UNEP) 国際環境技術センタ一との連携や国際湖沼環境委員会(ILEC) の国際協力事業支援、 研修などによる人材育成などを通じ、途上国における淡水資源保全対策を進める一方で、 琵琶湖研修、県立大学、 琵琶湖博物館などの調査研究体制の充実、 世界の淡水資源に係る情報・技術ネットワークの形成促進などが計画されている。
「琵琶湖の水質が一頃に比べ改善されてきたのも住民参加による環境自治の賜物。これからの環境行政にはまず住民、事業者、 行政によるパートナーシッブの構築が重要になってきます」 〈琵琶湖環境部環境政策課・加賀爪 敏朋さん) 。実際、最近の環境行政では住民参加がキーワードとなっており、 施策の計画 ・ 実施の各段階からの積極的な参加を呼びかけている。 滋贅県の場合、県土の6分の1を占める琵琶湖は、 県内のみならず近畿府県の飲科水や水産資源、農業や工業用水などの水資源としての価債に加え、固有の自然生態系や景観は世界的にも高い価値を有しており、 県民の生活や産業活動を支える基盤として不可欠の存在となっている。そのため琵琶湖の環境に対する住民の意識は高く 「碧い琵琶湖を次世代 に」という県民の共通の顧いが環境自治の出発点となっ ている。
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