グリーンコンシューマ(緑の消費者)の台頭で新市場の創出へ
●一般消費者・生活者意識の変化 国内の環境ビジネス市場は第1次、2次、3次まで全産業に裾野を広げ、全員参加型の市場へと 自律的に発展中だ。市場の内訳は官公需要、民間需要に分けられるが、本線は民需の企業需 要である。しかしこれから拡大が予想されるのが一般消費者(生活者)市場だ。 その牽引者がグリーンコンシューマ(緑の消費者)の存在だ。商品購入にあたり、環境配慮 を念頭において消費行動をとる新しいタイプの消費者群だ。日本ではグリーンコシューマの 比率は、全消費者の3、4%程度とわずかなものだが、年追う毎にジワリと増えている。 とりわけ2011年3/11・東日本大震災後、一般消費者の中に自然環境、人間を含む生命、食の 安全・安心、エネルギー問題などの関心が高まり、加えて不況風がふく中で浪費を抑える生 活習慣の定着がグリーンコンシューマが都市部を中心に増えている 。 旧聞こ属するが、ここに最近の消費者意識についての調査結果がある。 2014年4月に電通が実施した「環境問題に対しての消費者意識」調査だ。 関心のある社会問題を複数回答で聞いたところ、「環境問題」が前年比3・5ポイント高い69 ・1%で1位。2008年に調査開始以来6年連続の1位。2位は「自然災害」だった。 環境意識に関する質問では65・5%が「環境問題に配慮することと生活をたのしむことは両立 できる」と回答。前年比3・7ポイント上昇している。09年(55・9%)から5年間で着実な伸 びを示している。 また生活面では「自ら進んで節電や節約に取り組みたい」は全体の88%に達した。「多少価 格が高くても今後、利用したい環境配慮型の商品やサービス」では「住宅設備」「家庭用エネルギーシステム」等の住宅関連の伸びが顕著だった。
●グリーンコンシューマの消費行動基準13の原則 こうした一般消費者の意識の変化は商品購入の際の買い物行動にも変化をもたらしている。 「どんな変化なのか?」 予測に近いが、それはグリーンコンシューマの「消費行動」と共通部分が多く見られるので はないか? そこで、グリーンコンシューマの商品購入時に念頭に置く基準を調べてみると、こうなのだ。 要は適正な品質や価格で選ぶのはもちろんだが、環境・エネルギー負荷の少ない商品やサー ビス、及びそれらの提供に努める事業者を選び優先購入するのがポイント。 具体的には以下の基準がある。
①購入時に必要とするものを必要な量だけ買い、余分なものは買い控える。
②価格が高いと思っても長く使える長寿命のものを選ぶ。
③容器・包装材は最小限、過剰包装は避ける。
④商品の生産工程、利用過程、使用済みになった廃棄時に、資源とエネルギーの浪費の少な いものを購入する。
⑤家電等利用する時、電力消費の少ないものを基準に優先的に選ぶ。
⑥有害な化学物質による環境悪化、健康被害の少ない商品を購入する。
⑦生態系と生物多様性を損なわないものを選んで買う。
⑧近隣で生産・製造されたものを選ぶ。
⑨資源を分かち合い、共同所有してシェアできるものを選ぶ。
⑩生産者と消費者が見える関係で商品が流通されているものを買う。
⑪生産者に利潤等公平な分担が保障されているものを選ぶ。
⑫環境負荷の改善に熱心に取り組み、その環境改善情報を公開している会社や店を選ぶ。
⑬次世代、及び途上国等の現世代の持続可能な社会の実現を考えている会社や店を選ぶ。
など13原則の基準があるという。 こうした新たなグリーンコンシュマの拡大は、モノを生産・製造するメーカー、あるいは商 品を販売する企業に対して環境商品の提供を促すことになる。それは結果として一般消費者 (生活者)を変化を読み取り環境商品を提供する企業には大きなビジネスチャンスの到来なの だ。
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