2024年8月11日日曜日

タイトル: 発泡スチロールリサイクルの最新動向 - 1999年3月15日

タイトル: 発泡スチロールリサイクルの最新動向 - 1999年3月15日

1998年、発泡スチロール(EPS)のリサイクル状況について、発泡スチロール再資源化協会がデータを発表しました。EPSは包装梱包材として広く使用されており、そのリサイクルは環境保護の観点から重要視されています。1998年のリサイクル率は51.5%に達し、前年から1ポイント増加しました。このリサイクルの内訳として、マテリアルリサイクルが31.2%を占めています。これは、EPSをインゴットやペレットに加工し、再びプラスチック製品として利用する方法です。もう一つの主要なリサイクル方法であるサーマルリサイクル(熱回収)は、20.3%を占めています。サーマルリサイクルは、発電や熱源として利用される方法です。

リサイクル率の向上に貢献した要因として、発泡スチロール再資源化協会が独自に設置している「エプシー・プラザ」というEPS回収拠点の増設が挙げられます。1998年の1年間で、エプシー・プラザの拠点が9カ所増え、企業のリサイクル意識が高まり、自主的に回収や技術開発が進んだ結果、リサイクル量が増加しました。

1998年のEPS国内出荷量は、国産原料が20万トン、輸入原料が10万トンに達しました。リサイクルされたEPSの量は、これに比例して増加し、国内外での再利用が進んでいます。また、リサイクル技術の進展に伴い、マテリアルリサイクルの効率が向上し、リサイクル製品の品質も改善されました。例えば、EPSを再生プラスチックとして利用する際のインゴットやペレットの品質向上が報告されており、これがリサイクル率の向上に寄与しています。

サーマルリサイクルに関しても、焼却施設での技術改良が進み、熱回収効率が向上しました。この技術の進展により、EPSの熱分解によるエネルギー回収が可能となり、これが環境負荷の低減に貢献しています。さらに、焼却時に発生する有害物質の排出を抑制する技術も開発され、環境への影響を最小限に抑える取り組みが進められています。

発泡スチロール再資源化協会は、今後もリサイクル技術の開発と普及を進め、EPSのリサイクル率をさらに向上させる計画です。また、リサイクル製品の市場拡大にも力を入れており、企業や自治体と連携してリサイクルシステムの構築を進めています。これにより、循環型社会の実現に向けた取り組みが加速することが期待されています。

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