笑いと舞が開く天の扉 ― アメノウズメと神々の戯れ
アメノウズメ(天宇受売命、天鈿女命)は、日本神話に登場する芸能・舞踊・神楽の祖とされる女神である。彼女が活躍する天岩戸神話は、天照大神(アマテラス)と須佐之男命(スサノオ)の対立が発端となる。スサノオの乱行により天照大神が天岩戸に閉じこもると、世界は暗闇に包まれた。困った八百万の神々は天安河原で策を練り、アメノウズメが舞を踊ることになった。
彼女は大胆な踊りで神々を笑わせ、その賑やかさに興味を持った天照大神が岩戸を少し開けると、八咫鏡に映る自身の姿を見て驚き、その隙をついて天手力男命が岩戸を開いた。こうして光が戻り、秩序が回復した。この神話では、アマテラスの厳格さとウズメの奔放さが対比され、笑いと舞の力が強調されている。
その後、アメノウズメは天孫降臨で猿田彦命と関わり、交渉によって彼の案内を引き出し、のちに夫婦神となる。彼女は現在も芸能や道開きの神として信仰され、日本の神楽や舞踊の原点とされている。
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