Wednesday, April 2, 2025

アラスカ・メキシコ湾-1980年から2023年 メタンハイドレート開発の現状

アラスカ・メキシコ湾-1980年から2023年 メタンハイドレート開発の現状

アメリカでは、メタンハイドレートが将来の重要なエネルギー資源として注目されています。主な埋蔵地域は、アラスカ北部の永久凍土、メキシコ湾、東海岸沖の大陸斜面で、特にアラスカ州北スロープでは約85兆立方メートル以上の膨大な埋蔵量が確認されています。メキシコ湾では1平方キロメートルあたり1億立方メートル以上のハイドレートが存在するとされ、採掘しやすい砂層型の地質構造が特徴です。

アメリカは1980年代からメタンハイドレートの研究を開始し、エネルギー省(DOE)の主導で技術開発が進められてきました。2007年にアラスカ北スロープで試験採掘を実施し、1日あたり約5000立方メートルのガスを生産しました。2012年には二酸化炭素を利用してメタンを回収する技術が試され、この試験では1日あたり約6000立方メートルのガスが生産されました。この技術は、温室効果ガスのCO₂を地下に封じ込める環境配慮型の取り組みとして注目されました。

さらに、2023年10月には、日本のJOGMECとの協力により、アラスカで長期生産試験が開始されました。この試験では、1年間で約30万立方メートルの天然ガス生産を目指しており、商業化に向けた重要な技術実証となっています。

技術開発としては、減圧法による海底の圧力を下げてガスを回収する方法、化学注入法によるハイドレート分解促進、二酸化炭素を利用してメタンを置き換えるCO₂交換法が試されています。CO₂交換法は、1立方メートルあたりのコストを約100ドルから50ドルに削減する可能性があるとされています。

一方で、課題も残っています。既存の天然ガスと比較して採掘コストが高く、現在では1立方メートルあたり約50~100ドルが必要です。また、メタン漏出による温暖化リスクや海底地滑りの可能性が指摘されています。これにより、環境リスクを最小限に抑える技術革新が求められています。

アメリカはこれらの課題に取り組みつつ、エネルギー安全保障の観点からメタンハイドレートを重要な資源と位置付けています。国際協力や技術革新を進めることで、高い採掘コストと環境リスクを克服し、将来的な商業化を目指しています。

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