Tuesday, April 1, 2025

### バリ島の大気汚染問題の歴史と現状(1990年代~2020年代)

### バリ島の大気汚染問題の歴史と現状(1990年代~2020年代)

#### 1990年代:観光業の発展と大気汚染の顕在化

1998年、バリ島では観光業の急速な発展に伴い、デンパサールやクタ、ウブドなどの主要観光地で交通量が増加し、自動車やオートバイからの排出ガスが大気汚染の主な原因となりました。これにより、浮遊粒子状物質(PM10)や窒素酸化物(NOx)の濃度が上昇し、住民や観光客の健康への影響が懸念されました。政府は排ガス基準の導入や交通量削減策を検討しましたが、観光産業への影響を考慮し、具体的な対策の実施には至りませんでした。

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#### 2010年代:環境対策の強化と課題

2010年代に入ると、バリ島の大気汚染問題に対する取り組みが強化されました。2012年には、増加するオートバイの排出ガス規制が強化され、低公害燃料や技術の導入が推進されました。また、森林火災や泥炭地火災による煙霧(ヘイズ)が高濃度の浮遊粒子状物質をもたらし、シンガポールやマレーシアへの越境汚染も発生したため、地域的な協力が求められました。しかし、観光業のさらなる発展に伴う交通量の増加や廃棄物処理システムの整備不足など、新たな課題も浮上しました。

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#### 2020年代:持続可能な観光と環境保護の推進

2020年代においても、バリ島の大気汚染は依然として課題となっています。特にデンパサール、クタ、スミニャックなどの都市部では、交通機関からの排出ガスや産業活動、森林火災が主な汚染源となり、PM2.5やPM10、二酸化窒素(NO₂)、一酸化炭素(CO)などの有害物質が検出されています。

インドネシア政府は、2020年4月にプラスチックごみの大幅な削減を目指す計画を発表し、2025年までに海洋プラスチックごみを70%削減し、2040年までにプラスチック汚染をゼロにするという具体的な目標を掲げました。また、2019年1月からデンパサール市ではプラスチック製の袋や容器の使用を禁止する取り組みが行われています。

さらに、環境保護団体「スンガイ・ウォッチ」は2020年から活動を開始し、川にゴミを流出させないためのバリアを設置するなどの取り組みを行っています。この団体は、2024年5月時点で170万キログラム以上のゴミが海に流出するのを防いだと報告しています。

しかし、観光業の発展に伴う交通量の増加や、適切な廃棄物処理システムの不足が依然として問題視されています。持続可能な観光業の推進や、再生可能エネルギーの導入、公共交通機関の整備など、さらなる対策が求められています。

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### 歴史的評価と今後の課題

バリ島の大気汚染対策は、1990年代から徐々に進展してきましたが、観光業の発展と環境保護のバランスを取ることは依然として課題です。過去の教訓を活かし、国際的な協力と技術革新を通じて、持続可能な解決策を追求する必要があります。

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