Wednesday, June 18, 2025

「創造的進化」第1章 ― 有機体について

「創造的進化」第1章 ― 有機体について

えっとですね。ベルクソンの『創造的進化』第1章の「有機体」という話なんですけれども、第1章は、無機物という領域を区別することが主な役割で、さらに有機物が植物と動物、そして知性や本能に分類されていくわけです。

まず初めに、有機物とは何かということですが、第一に言えるのは「何によって孤立させられているか」という点です。物質というのは、化学、つまり人間の科学によって人為的に孤立させられるものに対し、有機体――すなわち生物は、自然そのものによって孤立させられるものである。したがって、孤立して存在する人工物と、生物の孤立の仕方は違うのです。

科学と自然。この二つの対比によって、決定的な違いがある。自然によって孤立させられたものの個体性というのは、グラデーションになっていて、無限の段階があるということなのです。しかも、このグラデーションにあるものは完全に完成されることはなく、生物としての存在には常に時間との接触が必要になる。それは、生物の個体が「時間のなかで永続したい」という要求を持っているからで、そのために「空間においては決して完成されないように」仕組まれているというのです。

つまり、個体性を持つということ、あるいは生殖を行うということは、「自分の中に、自分の敵をどうしても抱え込んでしまう」ということでもあるのです。ここで、例としてヒドラやウニ、ミミズの話が出てきます。これらは切り取ると二つに分かれて再生する。つまり、個体性のあり方が特殊だということです。

また、タンスと引き出しの例が出てきます。タンスの引き出しに限って言えば、タンスは引き出し以上の何かを含んでない。しかし、引き出し同士には相互作用はない。しかし、個体の場合――たとえばヒドラの部分部分は繋がっていて、相互作用がある。だからそこに決定的な違いがある。つまり、相互作用があるかどうか。そして時間が経過するかどうか。それが違いなのです。

したがって、結局「孤立のされ方」によって、物質と生物は明確に区別される。人工的に孤立させられるのが物質で、自然によって孤立させられるのが生物ということになります。そして、この自然によって孤立させられたもの――すなわち有機体は「歴史を持つ」。成熟し、老化する。そして部分部分に相互作用があるので、ある一定の方向に向かって偶然的な変異が起こるけれども、結果としては似たような形に収束していく。そこに有機的な性質がある、ということです。

現代の情報科学などが機械論的に、部品が独立したものとして設計されているのに対して、生物はそれぞれの部位が時間とともに相互作用しながら変化していく。その違いが明確です。つまり、部品が独立しているというのは、物質の特徴です。そして、その独立した部品をもとに体系を築いていくというのが、科学、そして形式知としての哲学の特徴でもあります。

いずれにしろ、時間というのは散らばる液体のように、一度流れたら戻らない。エントロピーが増大していくため、時間は決して逆行しない。そのような「戻らない時間」を内包しているのが、「有機体」だというのがベルクソンの主張だと思います。

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