Saturday, September 13, 2025

バイオセンサーが考案されたのは1967年で、グルコースセンサーが最初のものであった。グルコースセンサーは糖尿病患者の血糖値を測るために開発され、グルコオキシダーゼという酵素を利用している。血液中からグルコースのみを選び出し、反応させることで血糖値を迅速かつ正確に測定できるようになった。以降、様々な酵素や微生物を利用したバイオセンサーが考案され、食品分野や医療分野で実用化され始めた。現在、国内市場のバイオセンサーは医療系を中心に数百億円規模に成長している。

バイオセンサーが考案されたのは1967年で、グルコースセンサーが最初のものであった。グルコースセンサーは糖尿病患者の血糖値を測るために開発され、グルコオキシダーゼという酵素を利用している。血液中からグルコースのみを選び出し、反応させることで血糖値を迅速かつ正確に測定できるようになった。以降、様々な酵素や微生物を利用したバイオセンサーが考案され、食品分野や医療分野で実用化され始めた。現在、国内市場のバイオセンサーは医療系を中心に数百億円規模に成長している。

このバイオセンサーを環境分野に応用する動きも当初からあった。最初に実用化されたのは、世界初の環境測定バイオセンサーとして日新電機が商品化したBODセンサーである。このセンサーはレセプターに微生物を使用し、微生物が水質汚染物質を体内に取り込むと呼吸量が増え、その結果として周囲の酸素濃度が変化する性質を利用している。この方法により、従来の5日間かかっていた測定時間を数分から1時間程度に短縮し、ほぼリアルタイムでの測定を可能にした。現在、このセンサーは工場廃水や下水道処理施設の水質チェックに多く利用されており、国内シェアの約90%を占めている。

バイオセンサーの基本的な仕組みは、生物材料を使用した「識別素子」(レセプター)が対象物質を捕捉し、それによって発生する応答(蛍光による発光や電流の発生)を信号として捉え、測定物質の量や濃度を割り出すものである。バイオセンサーはレセプターの種類によって分類される。主なものとしては、特定の物質に反応する酵素を利用した酵素センサー、体内に入ってきた病原菌を捕まえる抗体を利用した免疫センサー、微生物の細胞内に汚染物質が取り込まれた時の反応を利用した微生物センサーがある。

現在主流となっている化学分析方法は、大気や水、土壌から採取したサンプルからさまざまな成分を取り除く作業を繰り返すことで汚染物質を割り出す。そのため、1つのサンプルを分析するのに5日以上を要することも珍しくない。特にダイオキシン類や環境ホルモンのような微量な物質の測定には2週間以上かかることもある。さらに、分析技術者には熟練が必要であり、近年の急激な測定・分析ニーズ増加に対して人材育成が追いついていない。こうした課題を改善するために、バイオセンサーの開発が加速している。

バイオセンサーの長所としては、複雑な前処理が不要であり、選択性が高く、少量の試料で短時間(数分から数十分)で測定できることが挙げられる。また、出力が電気や光信号で取り出せるため、データの取り扱いが容易である。一方で、生物素子の寿命が短い、測定範囲が狭い、生体物質の活性変動があるといった短所も存在する。

現在、ダイオキシン類や環境ホルモンを測定するバイオセンサーの実用化に向けた研究が進んでおり、早ければ2~3年で実製品が市場投入される可能性もある。例えば、エンバイオテック・ラボラトリーズでは複数の大学と共同で生物の免疫システムを利用したバイオセンサーを開発している。また、東京大学国際・産学共同研究センターでは、マウスの体内で作られたダイオキシンの抗体を利用して、極めて微量のダイオキシンを測定できるバイオセンサーを開発している。

バイオセンサーの開発にはレセプターと信号化技術の2つの要素が重要である。従来のレセプター作成方法では、ダイオキシン類のような強い毒性を持つ物質に対して抗体を作ることが難しいため、新しい方法としてペプチドやDNAを利用したレセプターが研究されている。これにより、微量な物質を高精度に測定することが可能となる。

バイオセンサーは化学分析法に比べてコスト面やメンテナンスの難しさといった課題もあるが、その精度と迅速性から新たなビジネスチャンスとして期待されている。

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