Sunday, September 28, 2025

繊維リサイクル市場の拡大課題―2001年10月

繊維リサイクル市場の拡大課題―2001年10月

2001年前後、日本では循環型社会形成推進基本法が施行され、廃棄物削減とリサイクルの推進が国策として掲げられていた。しかし、繊維業界においてはその構造的特性からリサイクルが十分に進展していなかった。衣料品や繊維製品は原料が綿・ウール・ポリエステルなど多岐にわたり、混紡比率も多様で、さらに流通形態がファストファッションから高級ブランドまで複雑に分かれていた。このため再資源化の仕組みが分散し、日本国内での年間171万トンを超える繊維廃棄物のうち、再商品化率はわずか9.5%にとどまっていた。

一方、ドイツではNPOや教会団体が中心となった路上回収や地域ごとの自主システムが整備され、2001年時点で62.8%という高い再資源化率を実現していた。欧州ではすでにリユース市場が確立され、古着の輸出や国内循環が社会に根付いていたのに対し、日本はリサイクルショップやフリーマーケットの増加が見られる段階にとどまっていた。背景には、衣料の低価格化による使い捨て消費文化の定着、古着に対する衛生観念や心理的抵抗感、そして行政の制度的不十分さがあった。

当時の課題は、消費者参加をいかに広げ、安定した回収ルートと市場基盤を築くかにあった。繊維メーカーや流通企業にとっても、製品設計段階からリサイクルしやすい素材や単一繊維製品を導入する「デザイン・フォー・リサイクル」が模索され始めた。さらに自治体やNPOが連携してリユース文化を社会に定着させることが求められ、循環型社会における衣料分野の後れが問題視された。こうした認識は後のファストファッション批判や持続可能なファッション運動(サステナブル・ファッション)につながる布石となった。

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