「環境企業とリサイクルの最前線」- 2003年4月
1. 焼却処理システムと廃自動車リサイクル
廃棄物処理基準等専門委員会は、産業廃棄物焼却処理システムの技術基準案を策定し、焼却施設や焼却類似施設への対応方針を提示しました。また、自動車リサイクル専門委員会は廃自動車の解体・破砕業の許可基準案を提示し、事業者の施設や能力、再資源化基準を規定しました。このような基準の明確化により、廃棄物処理の適正化が期待されます。
2. 廃プラスチックのマテリアルリサイクル
廃プラスチックのリサイクルが困難な場合や最終処分場不足により、廃プラスチック発電が拡大する見通しです。環境省は、産業廃棄物発電の支援に乗り出し、2021年までに国内5カ所の発電設備を補助する計画を立てています。これにより、廃プラスチックを新エネルギーの中核として位置づけ、地球温暖化防止に寄与することを目指します。
3. 風力・太陽光ハイブリッド広告灯
大阪市北区の堂島深川ビル屋上に設置されたネオン広告灯は、風力と太陽光によるハイブリッド発電装置で100%自然エネルギーを利用しています。この装置は、小型風力発電機と多結晶型ソーラーパネルを組み合わせ、蓄電した電力で点灯します。阪神高速環状線からも見ることができ、今後も新設広告塔に同様の技術が採用される予定です。
4. 感染性廃棄物の定義明確化
環境省は感染性廃棄物の定義を明確化し、医療現場での混乱を解消するためのマニュアル改訂を進めています。感染性廃棄物の扱いは処理方法や料金に大きな影響を与えるため、医療業界や処理業界から定義の明確化を求める声が強まっていました。改訂後は、統一的な処理が促進され、医療廃棄物の適正処理が期待されます。
5. グリーン購入法の施行
2001年に施行されたグリーン購入法は、国の機関に環境物品等の購入を義務づけ、地方公共団体や事業者にもグリーン購入を促進します。2003年からは24品目が追加され、市場のグリーン化が進んでいます。グリーン購入法の影響で、環境負荷の少ない製品やサービスの需要が高まり、経済効率から環境効率への転換が進んでいます。
6. シャープの環境配慮型エアコン
シャープは、ウイルスやカビ菌を除去する「除菌イオン技術」を搭載したエアコンを発売しました。また、解体性に配慮した部品を開発し、作業時間の短縮と将来的な無人化を目指しています。このエアコンは、室内環境への配慮がなされており、消費者の健康や快適さを重視した製品として注目されています。
7. 酸素富化膜搭載エアコン
松下電器産業は、外気から高濃度の酸素を取り込む「酸素富化膜」を搭載したエアコンを発売しました。この技術により、空気中の酸素濃度を高め、清潔な室内環境を提供します。酸素富化膜は空気分子だけを通すため、ホコリや菌を除去し、室内空気の質を向上させます。
8. 生分解性プラスチックの利用
ソニーは、植物原料の生分解性プラスチックを筐体に採用したウォークマンを発売しました。このプラスチックは、廃棄後に微生物によって分解され、CO2と水に還元されます。富士通も同様の素材をパソコンに採用し、環境負荷を軽減する製品開発に取り組んでいます。これにより、電子機器の廃棄物問題に対応する新たなソリューションが提供されます。
9. 循環型社会の形成
生活基盤関連では、リサイクルインフラ整備が進められ、廃棄物処理施設の整備が進行しています。2003年度には「埋め立て処分地再生事業」が創設され、市町村の一般廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物を減容化・リサイクルするための施設整備が進められています。これにより、埋め立て処分地の逼迫が緩和される見込みです。
10. 公共事業の環境転換
日本の公共事業は、21世紀に入り、環境を重視した社会資本整備へと転換しつつあります。エコロードやエコポート、リサイクルボートなどの新しいタイプの公共事業が注目されており、環境配慮型のインフラ整備が進行中です。この転換により、環境保全と経済発展の両立が図られています。
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