Monday, September 29, 2025

技能実習制度の問題―2010年代の死と労働の影

技能実習制度の問題―2010年代の死と労働の影

2010年から2018年までの9年間で、外国人技能実習生174人が死亡した事実は、日本社会に大きな衝撃を与えた。死因には脳疾患や心疾患、過労死、自殺などが含まれ、その背景には長時間労働や劣悪な職場環境があった。技能実習制度は1993年に「途上国への技術移転」を目的に創設されたが、実態は低賃金労働力の確保に転化し、外国人労働者の人権侵害が常態化していた。2010年代はリーマン・ショック後の停滞や東日本大震災の復興需要により人手不足が深刻化し、建設・農業・介護分野で実習生への依存が強まった。パスポートの取り上げ、残業代未払い、労災隠しなどの問題が相次ぎ、ILOからも「現代の奴隷労働」と批判された。2017年には「外国人技能実習適正実施法」が施行され、監理団体の許可制や第三者監査が導入されたが
、現場改善は遅れ、2018年には失踪実習生が9000人を超えた。制度は国会で議論を呼び、技能実習を存続させるか、外国人を労働者として正面から受け入れる新たな仕組みに転換するか、日本社会は岐路に立たされていた。

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