Wednesday, December 31, 2025

旭化成(宮崎県延岡市)― 既存設備から立ち上がった静かなケミカルリサイクル(2000年代前半)

旭化成(宮崎県延岡市)― 既存設備から立ち上がった静かなケミカルリサイクル(2000年代前半)
旭化成は、宮崎県延岡市のエステル工場において、使用済みPETボトルを原料に高純度ポリエステル原料を再生するケミカルリサイクル事業を展開した。2000年代前半は、容器包装リサイクル法の施行によってプラスチック回収量が増加する一方、マテリアルリサイクルでは品質劣化や用途制限が問題となり、化学的手法による高品質循環への期待が高まっていた時期である。本事業の特徴は、新規設備への大規模投資ではなく、自社工程で発生する糸くずや端材を再利用するために整備されていた既存設備を転用した点にある。PETボトル由来原料を化学処理し、安定した品質の原料として再生するプロセスは、化学メーカーとして蓄積してきた技術との親和性が高く、地方工場でも実用性を確保できた。これは廃棄物処理としてのリサ�
�クルではなく、原料調達の一形態として循環技術を位置づけた点で先進的であった。また、地方立地で成立した事例として、雇用維持や地域産業の持続性にも寄与し、環境対応と地域経済を両立させるモデルを示した。旭化成の取り組みは、化学メーカーが循環型素材供給へと役割を拡張していく初期段階を象徴する事例といえる。

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