Wednesday, December 31, 2025

管理区域に入れた身体 原発労働の底にあった時代 高度成長期からバブル期

管理区域に入れた身体 原発労働の底にあった時代 高度成長期からバブル期

刺青だらけでも管理区域に入れたという元ヤクザの証言は、原発の厳格な安全管理という表の顔とは異なる現場の実態を映している。高度成長期からバブル期にかけて、原発は国家事業として拡大する一方、現場では慢性的な人手不足が続いていた。危険で過酷な作業を担ったのは、前科者や日雇い労働者、暴力団関係者など、社会の周縁に置かれた人々だった。身元や過去よりも、今日その場で動ける身体が優先され、刺青や素行は黙認された。注射器が見つかっても一時的な出禁で済むなど、安全規則より作業継続が重んじられる場面も少なくなかった。体験談では、作業内容や日当、被曝計測器の数値が上がる感覚、作業後に残る倦怠感が具体的に語られ、原発労働が抽象的な管理の問題ではなく、身体感覚の問題であったこと
が浮かび上がる。原発は地域振興と国策の象徴であると同時に、こうした名もなき身体の積み重ねによって支えられていた。その現実を、この証言は淡々と、しかし生々しく伝えている。

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