日本におけるモミガラ発電の事例
1. ヤンマーのもみ殻ガス化発電システム (2019年)
ヤンマーは、もみ殻を利用したガス化発電システムを2019年に開発し、導入を開始しました。このシステムは、もみ殻を高温でガス化し、そのガスを燃焼させて発電する仕組みです。特許を取得したこの技術は、有害物質の発生を抑え、安全性が高いのが特徴です。もみ殻が大量に発生する施設(カントリーエレベーターやライスセンターなど)に適したシステムで、導入から運用、メンテナンスまで一貫してサポートしています。
2. 北海道蘭越町のもみ殻熱利用プロジェクト (2021年)
北海道蘭越町では、2021年から米の収穫後に廃棄されていたもみ殻を活用して、燃料棒を製造する「もみ殻熱利用実証プロジェクト」が推進されています。製造された燃料棒は、ビニールハウスの加温や家庭用燃料として使用されており、地域のエネルギー自給自足に寄与しています。このプロジェクトでは、燃料棒を使用したビニールハウスでの野菜栽培も行われており、その野菜は町内の学校給食にも提供されています。
3. 住友商事のもみ殻バイオ燃料実証実験 (2023年)
新潟県胎内市で、2023年に住友商事がもみ殻をバイオ燃料やバイオケミカルに転換する実証実験を開始しました。もみ殻を熱分解して炭化させ、その過程で発生するオフガスを再生可能エネルギーとして利用する技術開発も進行中です。この取り組みは、地域活性化とCO2排出削減を両立させることを目指しており、環境省からも高く評価されています。
まとめ
日本におけるもみ殻発電の取り組みは、再生可能エネルギーの普及と地域社会の持続可能な発展に大きく貢献しています。ヤンマーや住友商事のような大企業が主導するプロジェクトから、地方自治体が推進する地域密着型のプロジェクトまで、多様な形で実現されています。これらの取り組みは、エネルギー自給自足のモデルとして他地域への展開も期待されており、今後さらに注目される分野となっています。
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