Monday, August 5, 2024

RDF(固形燃料)の採用と利用計画:1997年4月

RDF(固形燃料)の採用と再利用計画:1997年4月

背景と目的
廃棄物の適正処理と再利用は、環境保護において重要な課題です。特に可燃性廃棄物を有効に利用する方法として、RDF(Refuse Derived Fuel:固形燃料)の技術が注目されています。RDFは、廃棄物を選別、粉砕、成形固化して製造され、石炭などの代替燃料として利用されます。RDF技術の採用と再利用計画は、エネルギー資源の節約と廃棄物処理の効率化に大きく貢献します。

東ソーの取り組み
東ソー株式会社は、山梨県南陽市の南陽事業所でRDFをセメント製造の燃料として採用し、その焼却灰をセメント原料として再利用する計画を立てています。この取り組みは、南陽市がリサイクル事業の一環としてRDFを推進することを受けたものであり、同市のゴミ処理施設が完成する1999年4月から実施される予定です。

RDFの製造と特性
RDFの製造プロセスは以下の通りです:

1. **選別**:
廃棄物から不燃物や異物を取り除き、可燃性の高い材料を選別します。

2. **粉砕**:
選別された廃棄物を細かく粉砕し、粒度を均一にします。

3. **成形固化**:
粉砕された廃棄物を加熱・圧縮して成形し、固形燃料に仕上げます。

RDFは、長期保存が可能で取り扱いが容易な点が特長です。また、従来の焼却処理に比べて発熱量が高く、エネルギー効率が良いことが利点です。

セメント製造における再利用計画
東ソーの計画では、RDFをセメント製造の燃料として使用し、その焼却灰をセメントの原料として再利用します。このプロセスにより、廃棄物の最終処分量を減らし、資源の有効利用を図ることができます。具体的には、以下のようなメリットがあります:

1. **エネルギー効率の向上**:
RDFの高い発熱量を利用することで、セメント製造に必要なエネルギーを効率的に供給できます。

2. **廃棄物の減量**:
RDF化することで、廃棄物の体積が減り、最終処分場への負担を軽減できます。

3. **資源の有効利用**:
焼却灰をセメントの原料として再利用することで、廃棄物を有価物に変えることができます。

今後の課題と展望
RDF技術の普及には、いくつかの課題があります。まず、廃棄物の選別と粉砕工程において異物の除去が重要です。また、RDFの品質を一定に保つための技術開発も必要です。さらに、製造コストの削減と市場拡大に向けた取り組みが求められます。

東ソーの取り組みが成功すれば、RDF技術は他の地域や業界にも広がり、廃棄物処理とエネルギー供給の効率化に寄与するでしょう。政府や自治体の支援を受けながら、技術の改良と普及を進めることで、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となることが期待されます。

このように、RDFの採用と再利用計画は、環境保護と資源の有効利用に大きく貢献する重要な取り組みです。東ソーの具体的な事例は、他の企業や自治体にとっても参考になるモデルケースとなるでしょう。

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