Wednesday, October 29, 2025

加藤登紀子――学問と歌のあいだで紡いだ永遠の詩(1960年代~2000年代)

加藤登紀子――学問と歌のあいだで紡いだ永遠の詩(1960年代~2000年代)

加藤登紀子は、東大在学中にデビューし、アカデミックな知性と情熱的な歌声で60年代後半の学生運動期に若者の心を掴んだ。代表作「ひとり寝の子守唄」や「知床旅情」で国民的な歌手となる一方で、政治性と詩的感受性を併せ持ち、「愛と革命の歌姫」として異彩を放った。彼女の人生はまた、東大全共闘のリーダーであった夫・藤本敏夫との出会いと闘争、結婚、彼の服役・病死を通じて深みを増してゆく。獄中結婚という話題を超え、家族として、また表現者として彼の思想を歌に刻み続けた加藤は、反原発・環境運動にも関わりながら、人生をかけた歌の道を歩んだ。その軌跡には、「学問」と「愛」と「闘争」が交差する時代の精神が刻まれており、加藤の存在そのものが、戦後日本の一つの証言でもある。

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