Sunday, October 19, 2025

鉱山の再生 —1970〜1990年代、日本が「採掘から循環へ」と転じた瞬間—

鉱山の再生 —1970〜1990年代、日本が「採掘から循環へ」と転じた瞬間—
伊豆湯ヶ島町の持越鉱業所は、1930年代から金銀精錬を行ってきたが、1973年のオイルショックを機に電子廃棄物や医療用フィルムからの金属回収へと事業を転換した。1978年の伊豆大島沖地震で堆積場が決壊し、同社は採掘事業を断念。以後、廃棄物から貴金属を抽出するリサイクル企業へと再出発した。高度経済成長後の日本では、省資源化や環境負荷の低減が求められ、「都市鉱山」という概念が注目される。中外鉱業はその先駆者として、廃棄物を新たな鉱脈とみなし、持越鉱山を精錬・無害化処理を備えた環境型工場に再生した。1990年代にはリサイクル法が施行され、休廃鉱山を循環拠点に転用する政策も始まる。自然災害をきっかけに環境技術へと進化した企業の姿は、日本が「資源採掘の時代」から「資源循環の時代」へ�
�行した象徴であり、環境と経済の両立を模索する新たな産業倫理の出発点となった。

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