街に鳴り響く青春の音―1977年、豊島と杉並のステージに息づく“日本のロック黎明期”

街に鳴り響く青春の音―1977年、豊島と杉並のステージに息づく"日本のロック黎明期"

1977年、豊島公会堂と杉並公会堂では「久保田麻琴と夕焼け楽団」や「センチメンタル・シティ・ロマンス」が登場し、フォークとロックが交差する日本独自の音楽文化が花開いた。高度経済成長の終息とともに、若者たちは政治ではなく個人の表現に向かい、"自分たちの音"を求めて地方から東京へと集まった。久保田麻琴らはブルースやハワイアンを取り込み、センチメンタル・シティ・ロマンスは名古屋からの発信で、地方発の自由な感性を示した。渋谷や新宿ではライブハウス文化が芽生え、公会堂は音楽の拠点として純粋な熱気を放っていた。浅草や原宿に比べ商業主義の少ない豊島・杉並の空気は、創作の原点となった。1977年は、山下達郎や荒井由実が台頭する直前、メジャーとアンダーグラウンドが交錯する節目の年�
��あり、この公演群は"日本語ロック"の夜明けを象徴する記録となった。