Friday, October 24, 2025

超硬合金のリサイクル —1990年代・岩手に芽吹いた循環型ものづくり—

超硬合金のリサイクル —1990年代・岩手に芽吹いた循環型ものづくり—
1990年代初頭、希少金属の高騰と供給不安が深刻化する中、岩手県山田町では岩手大学工学部と東北和田工業が連携し、使用済み超硬工具の再生技術を開発した。廃棄されていた切削チップを化学的に分離・再焼結して再利用し、新品同様の硬度を得ることに成功。これにより、地域産業と大学が一体となって資源循環型技術を育てる先駆けとなった。当時は「リサイクル」という概念がまだ浸透しておらず、こうした実証研究は国の法整備に先立つ画期的な試みだった。1991年の再生資源利用促進法や1993年の環境基本法の流れを背景に、岩手では地方発の環境技術が着実に根づいた。1995年には月産200キロ規模の再生超硬合金を実用化し、循環型社会の理念を体現。中央主導ではなく、地方の研究者と職人が協働して築いた持続可能な�
�術開発の象徴である。

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