Wednesday, October 8, 2025

循環の未来へ―廃棄物とリサイクル技術の革新(1994年~2025年)

循環の未来へ―廃棄物とリサイクル技術の革新(1994年~2025年)

タクマは焼却灰を25ミリ以下に粉砕し、セメントと混合して圧縮することで建設資材に再生する技術を開発した。従来、焼却灰は埋め立て処分されていたが、この技術により道路舗装や建築ブロック、インターロッキングブロックとして再利用されることが可能になった。大阪ガス、大林組、京阪コンクリート工業が導入を進め、大阪や東京の都市部で活用が進められている。

三菱マテリアルは、焼却灰を1400~1600度で溶融し、結晶ガラスに変換して建設資材に再利用する技術を開発した。この技術は東京23区や大阪市で導入されており、首都高速道路の舗装や建築ブロック、タイルとして利用されている。住友重機械工業もこの技術に関与し、全国の自治体に技術提供を行っている。

北九州市では、響灘エコタウンに隣接する北九州港をリサイクルポートとして指定し、廃棄物処理の効率化を推進している。年間50万トンの産業廃棄物を処理し、90%以上のリサイクル率を達成している。エコタウン関連企業がこのプロジェクトに関与していると考えられる。

東京都では、下水汚泥をレンガや透水性ブロックとして再利用する取り組みが進められている。東京清掃工場が主導し、環境負荷の低減と資源の有効活用を目的としている。こうした技術は都市部の廃棄物処理の課題解決に貢献している。

新潟県では、食品廃棄物を利用したバイオディーゼル燃料の製造が進められている。使用済み天ぷら油を再利用し、年間500トンの食品廃棄物を処理している。新潟市と地元の農業関連企業がこのプロジェクトを推進しており、地域農業との連携が図られている。

愛媛県工業技術センターは、発酵微生物を活用した水質浄化技術を開発した。酵母菌、乳酸菌、納豆菌を利用することで、汚泥削減や消臭効果が期待できる。この技術は八幡浜蒲鉾共同組合で実証され、処理コストの7~8割削減が可能であることが確認されている。

地球環境産業技術研究機構(RITE)は、モウソウ竹を炭化し、土壌改良材や脱臭剤として活用するカーボナイズドウッド技術を開発した。この技術は、CO₂排出量を約30%削減し、廃棄物管理にも貢献している。特に農業分野での利用が期待されている。

東レは、逆浸透膜技術を用いた海水淡水化システムを提供している。サウジアラビアやオマーンで導入が進められており、日量100万立方メートルの淡水供給が可能となっている。この技術はエネルギー効率が高く、持続可能な水供給の一環として評価されている。

川崎重工業は、マイクロプラスチックを効率的に分離・除去する浄水システムを開発した。インドネシアのジャカルタで導入され、毎日200トンの水を処理し、80%以上のプラスチック粒子を除去することに成功している。

NECは、災害時に水供給を確保するためのシステムを開発した。フィリピンのセブ島に導入され、緊急時には毎日1000立方メートルの飲料水を供給できる。この技術は、自然災害の多い地域での水供給の安定化に寄与している。

パナソニックは、AI・IoTを活用したスマートウォーター管理技術を開発した。インドのムンバイやチェンナイで導入され、水の浪費を約15%削減する効果が確認されている。この技術は、水資源の有効活用を目的とした持続可能な管理システムとして期待されている。

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