廃棄色素が織り上げる新しい布―一宮発ロハス染色の試み（2007年1月）

廃棄色素が織り上げる新しい布―一宮発ロハス染色の試み（2007年1月）

愛知県一宮市の艶金興業は、食品廃棄物から抽出した天然色素を利用する「ロハス染色」を開発した。大豆かすや小豆、栗などから自然な色合いを再現し、染色後の残渣をバイオマス燃料として再利用するという、地域内で完結する循環的な仕組みを構築。原油高や環境意識の高まりの中で、尾州産地の伝統技術に新しい環境理念を融合させた点が特徴である。化学染料に比べて柔らかな発色と温かみを持ち、エコ素材への関心が高まるアパレル業界から注目を集めた。環境保全を"コスト"ではなく"価値"としてとらえるこの技術は、循環型社会を目指す2000年代の日本の動向を象徴しており、企業のCSRと地域産業振興を同時に実現するモデルケースといえる。ロハス染色は、ものづくりの現場に環境の物語を織り込んだ先駆的試�
�として評価されている。