Monday, December 1, 2025

廃木材が新しい壁になる時代 廃木材からの再生パネル製造(1990年代・ニチハ)

廃木材が新しい壁になる時代 廃木材からの再生パネル製造(1990年代・ニチハ)
1990年代の日本では建設や解体現場から大量の廃木材が発生し、その多くが焼却や埋立てに回されていた。高度成長期に建てられた住宅や公共施設が次々と更新期を迎え、廃材量は急増し、自治体の最終処分場は逼迫した。環境庁や建設省(当時)も対策を急ぎ、建設廃棄物問題が大きな政策課題となっていた。同時に森林資源の持続的利用や輸入木材依存を見直す機運が高まり再生材料を活用した建材への期待も増していた。
こうした背景の中でニチハが開発したのが廃木材を建築用の高強度パネルへ再生する技術である。解体現場から回収した木材は異物を除去した後に破砕され樹脂などと混合して高圧で成形されることで均質で性能の安定した建材パネルとして再生された。外壁材床材内装下地など多用途に使用でき通常の木質パネルと比較しても強度や寸法安定性で優れる場合もあった。
この再生パネル技術が重要なのは廃棄物削減と資源循環を同時に実現した点である。状態の不揃いな廃木材を大量に扱いながら安定品質の建材を製造できたことは当時のリサイクル技術の課題を突破したと評価された。また新材使用を減らすことで森林資源への負荷を軽減し輸入木材価格が高騰した1990年代後半には建材の安定供給にも貢献した。こうした取り組みは後に建設リサイクル法の成立へと続く政策の流れの中でも先進的な実践例となった。

No comments:

Post a Comment