ダイオキシン無排出で塩ビを再資源化する技術:1997年7月
東北大学が開発した「ダイオキシン無排出で塩ビを再資源化する技術」について紹介します。この技術は、ポリ塩化ビニル(塩ビ)をアルカリ溶液中での酸素酸化によって高価なシュウ酸やベンゼンカルボン酸に転換するプロセスを利用するものです。この処理プロセスはダイオキシン類などの含塩素化合物の生成を完全に防ぐことができることが確認されています。
技術の概要
1. **処理プロセス**:
- ポリ塩化ビニルをアルカリ溶液中で酸素酸化する。
- 高価なシュウ酸やベンゼンカルボン酸に転換する。
- ダイオキシン類などの含塩素化合物の生成を防ぐ。
2. **特徴**:
- **環境への配慮**:ダイオキシンを排出しない安全なプロセス。
- **高付加価値**:生成物が高価な化学品であり、経済的な価値が高い。
技術の意義
この技術の意義は、廃棄物であるポリ塩化ビニルを有価な化学品に転換することで、廃棄物の減量化と同時に資源の有効利用を実現できる点にあります。特に、ダイオキシン類の排出を完全に防ぐことができるため、環境負荷を大幅に低減することが可能です。
今後の展望
- **商業化**:この技術を商業化することで、廃塩ビの処理における新たな選択肢として広く普及することが期待されます。
- **プロセスの最適化**:処理プロセスの最適化を進めることで、さらに効率的かつ経済的な再資源化が可能となるでしょう。
- **応用範囲の拡大**:この技術を他の廃棄物処理にも応用することで、総合的な廃棄物管理の向上が図られます。
この技術の発展により、環境保護と資源循環の両立が進み、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となることが期待されます。
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