背景と状況:
1998年には、国産合板の割合は26%に過ぎませんでしたが、2005年には70%にまで大きく拡大しました。この間に、国産の針葉樹合板の生産量が大幅に増加し、2001年からその供給量は急速に伸び続け、2005年には過去最高を記録しました。この急成長の背景には、以下の要因が挙げられます。
南洋材の供給減少と規制強化:
もともと合板の主材料として使用されていた南洋材は、マレーシアやインドネシアといった供給国で森林保護のための伐採規制が強化され、供給が減少していました。また、2006年に「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」が林野庁から発表され、違法伐採木材の使用が制限されました。このような規制の強化により、合板材の需要が南洋材から針葉樹材にシフトしていきました。
国際市場と国内市場の影響:
国際市場における針葉樹材の価格上昇や円安傾向も、国産材の利用を促進する要因となりました。特に、日本国内では耐震建築が普及しており、住宅用の厚物合板の需要が増加しました。この需要増に対応するため、国産メーカーは設備投資を行い、乾燥期間の短縮などの対応を行っています。
間伐材の活用技術向上:
また、合板材の確保という観点から、間伐材などの小径木を活用する技術が進歩しました。これにより、間伐材を利用するメーカーが増加し、森林整備や林業の活性化が進んでいます。こうした技術の進歩は、国産材の利用拡大に大きく寄与しています。
総括:
国産材の活用は、森林資源の有効利用や環境保全にとどまらず、国内産業の振興にもつながっており、国産材需要の高まりは、林業や建築業界全体にとっても非常に重要な動きとなっています。
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